早乙女太一のスリッパ
太一クンが稽古中ずっとスリッパなんだよ。
殺陣も、ダンスも。
てか、少しバラせば、今回劇中ダンスもあるんだが
振り付けラッキィ池田・彩木エリってあるから、バレてるよね。
ともかく問題はスリッパなんだな。
しかし諸君、スリッパといえば かつてニナガワ先生が、東宝の大舞台の仕事を初めてした時に、商業演劇の役者たちが着替えもせず台本持ってスリッパ、ぱたぱた言わせて、ゆるい稽古するのを見て
ベニスの貴族がなんでスリッパなんだ、死ねっ豚どもっ
と叫んだと伝説になってるんだよ。
日比谷公園でスリッパ燃やさせたそうだよ。(嘘)
で、スリッパだよ。
ま私は、ニナガワではないし、時代劇に自転車持ち込んでる張本人だから、そんなこと叫べないけどな。
時代劇になんでスリッパなんだ、とは。
チャリはどうなるんだ。
んがしかし、まず危ないじゃないか。
すっごい立ち回りなんだから。足でもくじいたら。
でも、なんちゅうか、手抜きとか稽古ナメて、そうやってるんではない気配は、分かったから、そっとしといたんだ。
するとね
稽古のある時から、時々、スリッパをおもむろにスニーカーに履き替え始めたわけだ。
たちまち稽古場がシーンとなって、その一点を食い入るように眺めてた。
当然みんな、スリッパなんだなと思ってたから。
なんか用心棒の旦那がいよいよ刀、持ち替えたぜ、みたいなさ。
その後のことはまあ、想像通りなんだけど。
でもね、この時点で、たとえスリッパ履きでも、我々の感覚からすると、もうかなり早い動きで、
斬られて死ぬ側が、死ぬのが遅れガチ、な感じになっていたのである。
だから、スリッパでも何も困らんというか。
今回、地元大阪に錦を飾るべく参加している、ニューフェイス・野田翔太が、死に遅れないように、斬られる前から死にそうな顔してるみたいな。
もちろんスポーティなスニーカーでな。
それが剣豪がついに履き替えたんだから、諸君。
そしてこの3日はついに、スニーカーで、通しをやった。
月乃助、上杉祥三というベテランが初通しの、まだ一幕の終わった時に、立ち上がって拍手してましたよ。
こんなの見たことないって。
数々の舞台に立ち、京都の時代劇も知るベテランたちが。
唖然としてた。
ま、決して殺陣だけじゃなく、太一クンという人、これが本当に二十一歳か、野田翔太と同い歳かと、疑わずにいられない、心のある丁寧な芝居もするんですがね。
ま、殺陣は大きな見せ場だから、ここは大事なこと。
横内先生、スゴイね、と月様は言ってくれたけど、そんなことオレだって想定外だよ。こんなにスゴイとは思わなかった。
で更に、まだまだお見せするモノ、見て欲しいモノがあるんだから、
ここ数日、我らの雰囲気は実に盛り上がってきたわけだ。
舞台すべてがスニーカーに履き替えたぜ、状態だね。
ところで、このスリッパ問題、私、先日勇気を出して、たずねたのよ。
なんでスリッパなの、って、
そのアンサーは、劇場売りのバンフの鼎談で太一クンの口から語られています。
だからここでは、敢えて、秘密にしときます。
今日明日、私は厚木で
子供たちのドリームドリームドリーム
明後日から大阪に行く。