スーパー歌舞伎Ⅱワンピース 『俺たちの冒険はこれからだ!』
ワンピースのチケットが、少し前に売り切れた。
実は夏頃から先行販売があったのだけど、その時は驚くほど売れてなくて、
ちょっとチケットの話はしにくい雰囲気だった。
とにかく我々は中身創りましょうね、という感じで。
スーパー歌舞伎で、ワンピースなら
どっちのファンも取り込めて、人気沸騰!が製作サイドの当初の目論見だったと思う。
でも現実的には、どっちのファンからも、不安視されていたのだね。
なのに二か月も公演予定決めちゃって……
私は覚悟したものよ。
これでもう、新橋に行くことは二度とないかもしれぬ、と。
ショウビジネスの世界はシビアだからね。
お客さんは少なかったけど、良い物だったよ、は商業演劇ではサヨナラの言葉。
だから、この事態は夢みたいな話。
開幕時にはまだ残ってたチケットが、始まってからじわじわ消えて
途中で完売というのが、素晴らしい。
今の演劇は、売り出しとともに、速完するのしか、大当たりと言わないからな。
ところで、まだそんな不安を抱えつつ打合せなんかしてた頃。
集英社のワンピース編集者氏から台本のセリフのことで、注文が来た。
今回の仕事は、結構細かくチェックを受けつつやらなきゃイカンもので、それが私を悩ませもしたのだったのだが、それはともかく。
『俺たちの冒険はこれからだ!』はダメです、と。
なんでだよう!ラストシーンにふさわしい、皆、納得の決め台詞だろう。
超大作の幕切れに相応しい常套句ってやつだ!
と小さくムッとしたのだが、その理由を聞いて笑った。
それは少年漫画が不評で連載打ち切りになる時の、ラストの決まり文句として、漫画ファンの中では定着している言葉なのです。
俺たちの戦いはこれからだ!
俺たちの勝負はこれからだ!
なるほど、そう言って、よく連載は閉じている。
こっちは紛れもなく、舞台の幕切れなんだから、別に終わり感満載でいいじゃんとも思ったけど、縁起はよろしくないなと思われ、
ちょっとだけ変えてみた。
一部マンガファンの中では
ワンピースで『俺たちの冒険はこれからだ!』と禁句を叫んでいると噂されているみたいだけど、それは正確ではない。
実はちょっとだけ変えている。
公演途中で打ち切りにならないよう、そしてこの仲間たちと、再演の日を迎えたいという気持ちを込めた
祈りの言葉に。
さて一方で扉座も、かつてない盛況のうちに高円寺公演が終わり。
この土日に、厚木市文化会館での2公演を残すのみとなりました。
こちらには、なななななななななななななな
なんと
1枚1500円という、特別の学割席もあります。※若者応援シート という名前す。
近所の若者を誘って来てくれると嬉しいです!
ただし
今回の舞台 小学生以下は入れませぬ。
さあ!
俺たちの公演はこれからだ!
※追伸
ワンピースのチケット、かなり初期段階から売り切れてたぞというメッセージを友人から貰いましたが、それは二階、三階席の話で、最も多い、一等席はずっと残っていたのです。
何しろ料金が高くて、私も、友人や仲間たちを気軽にお誘いできませんでした。
その点、儚はずぅーーーーーーっと優しいのです。