ナル友への伝言

 大事な話なので、聞いて欲しい。

 一昨日、手術をしたのだよ。

 それは ぢ。

 仕事をお休みしたのは、一日だけ。でも歴とした手術。お医者さんにも確かめた、コレ、手術ですか?と。
 はい、そうです。とお医者様はおっしゃった。
 
 初出血から十年以上が経つ。実はひっそりと、いぼ痔 と共生して来た。
 数年前、とりあえず病院で診察は受けていて、ときどき薬貰ったりはしてんだけど。

 二年ほど前から、大事な時にも、アナルから突然、イボが出張って来るようになって、ヤバいなあと思い続けて来た。
 これがとっても痛いのだ。
 その辛さ、アナルの友、ナル友なら、分かるはず。

 我が人生、ほぼ座して来たからね。
 書くのも、演出も椅子の上……
 尻に過度の負担をかけ続けている。尻にスマン人生だ。
 
 毎年の人間ドックで相談すると、それはもう切った方が良いですね、放置して治ることはありませんから、と言われてたし。
 とはいえ、となれば手術だろうから、それなりに時間確保が必要で、そうこうするうちに、どんどん予定が埋まってゆくし……

 結果、だましだまし、伸ばし伸ばしにしてきたのだった。

 ところが去年、私の住処の極めて近くに新しい診察所が出来て、そこに肛門科と書いてあって。これはもう運命だから、2018年のどこかで手術に踏み切ろうと決意を固め、診察を受けた。

 すると、すぐに処置しましょう!と軽やかに言われた。
 いやいや、私、その時間が取れなくて…… 
 1日で終わりますよ。

 は?

 以前は、入院しての手術しかありませんでしたが、今は、別の方法があって、切らずに治す処置法があるのです。横内さんの場合、それでイケます。きっと喜んでいただけると確信します。

 なかなか、明快にして、爽やかな先生が近所に越して来たのである。

 それは簡単に言えば、肛門を拡張をし、内視鏡的なやつを入れ、患部に直で注射し、特効薬を注入し、揉み込んで腫れを一気に消すと言う、方法らしい。

 麻酔しますし、処置自体は20分ほどで終わります。
 ただし、横内さんの場合、12時方向がターゲットとなり、そこに前立腺があるために、揉み込む処置が、そこを強く刺激することとなり、それに伴い激しい尿意を催すような不快感が生じると思います。
 苦しいと言えば、そこでしょうか……
 
 丁寧すぎると言っても過言ではない説明に、若干、心折られそうになりつつも、もはや運命と悟って、お任せします、とお願いし、処置して頂いたのだった。

 局部麻酔だから、普通に会話しつつ、アナルから処置して頂く。
 前立腺なんとかって、性的な刺激ポイントがあったはずだよねえ、
 ある意味、ハードゲイの世界だよねぇ、とか。
 事前には、いらんエロ妄想とかも膨らましていたのだが。
 実際に、そこをグリグリやられたら、そんな余裕はとてもなく、激しく襲う尿意と闘うので精いっぱいだった。

 ううっ、漏れそうなんですけど……
 
 はい、でも出ませんから。もう少し、我慢しましょう!

 激しい闘いではあったが、ホントに始まれば15分ほどのことであった。
 で、麻酔が切れるまでは、待機と言われて1時間ほど。
 それで、チェックを受けて、帰って構わない、と。
 全行程で2時間ほどで済んでしまった。

 その後、下腹部に残る、おかしな感覚はしばし残ったものの。

 夜更けからはほぼ平常の感覚に戻った。
 そして、
 
 諸君、我がアナルは、その1日にして劇的に蘇った。
 穴が、奥に引っ込んだ感覚がありませんか?
 と、お医者様のおっしゃるとおり。

 軽やかに、穏やかに、かつてそうだった静かなアナルに還った。

 こんなことなら、もっと早くにやっていれば良かった。
 経過観察を受けに行って、お医者様と握手しましたよ。

 でも、そんな方法があるなんて、この先生にお会いするまで全く知らなかったからね。当然、何日か入院を必要とする手術が必要なんだと思い込んでいたからね。
 
 私の近くにいる、密かなるナル友の皆さんに、声を大にして言いたい。
 迷うことなく、この処置に向かって、踏み切り給え。
 いろんな薬も試したけど、そんなに効くものはなかったよ。

 ほんとに、恥ずかしいのも、痛いのも、ずーっと続く苦しみに比したら、一瞬のようなものだから。

 以上、体験者は語る、でした。
 このレポートが同じような悩みを抱えた方の、少しでもお役に立てば幸いです。
 ちなみに
 ジオン注 投与 という処置です。
 
 

    
 

 
  
 

    










関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

アーカイブ