ルフィ 復活へ #ワンピース歌舞伎 そして二つのランド!
3月19日『声だけ天使』の全10話配信が終わり。(熱いご声援をありがとうこざいました。でもまだ1話から、AbemaTV で無料で視聴可能です。)
その前の3月10日 サンリオ・ピューロランド内のメルヘンシアターの新作『KAWAII KABUKI』がロングランをスタートさせ、
今は、4月大阪松竹座、5月名古屋御園座での スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』の為の稽古の日々。
去年の10月、あの辛い事故があった『ワンピース』。そのワンピースの舞台に、猿之助さんが帰って来る。しかも、単なる復活公演にせず、またまた、アッと驚く新演出投入がある。
ニューカマーランドに、別バージョン、イワンコフが降臨する。ここまでの稽古は、ほぼその新バージョン、クリエイトの日々だった。でもそろそろ、一味も再結集して通し稽古を始めるところである。
どんな時も留まることしない猿之助さん。嬉々として新演出に取り組む姿は極めて頼もしい。でもね、
あの大怪我から、間もなくルフィとして戻って来てくれる。
その姿が見られる喜びが、すでに稽古場に溢れている。
今度こそ、ずっと皆が笑顔でいられる公演にしたい。
さて、笑顔と言えばピューロランドである。
『みんなを笑顔に!』がキティちゃんのスローガンで、今回作った40分ほどの舞台でも、それがメインメッセージなんだけど。
残念ながら笑顔は、笑顔だけで作れるものじゃないよね。
その陰や、裏側には、汗や涙もたくさんあるものだ。
新作は、存外うまく仕上がって、(スタッフが素晴らしいの。メインスタッフは皆さん一流で、劇場の裏方さんたちの意識と意欲もとても高い。何しろ、歌舞伎の技術を習い覚えるとこから始めて、リアルに習得しましたからね)すでに連日数回上演されて。いろんな感想がネットにもあがってて、それが結構、好評みたい。※今、半分ニューカマーの住人なので言葉使いが少し変ね。
でもまあ、当然ながら、ここに至るには、困難も多々あったわけ。
ヴァターシとしても投げ出したくなりそうな時も、ありました。普段の演劇現場とは、文化やしきたりもアレコレ違うし。
しかし、それを思いとどまり、狭量な己を恥じて、いやいや、何とかしてコレを創り上げよう、やらねばならぬ、と頑張り続けることが出来たのは……
ココちょっとデリケートな部分なんだけど。
出演者諸君が見せてくれた圧倒的努力の姿勢であった。
ピューロのダンサーたちは素晴らしいと、ラッキイ池田さんからすでに聞いていたけど、噂に違わぬレベルであり、その上に、実に真摯に仕事に向かうプロたちであった。テーマパークダンサーという人たちと初めて仕事したけれど、みんながそこに誇りを持っているのもステキだったな。自分たちの仕事を愛してるって、尊いことだ。
それを愛すると言うことで、更に私が胸打たれ、ああ、もうこの人たちの為に俺は全力を使い果たさなきゃ舞台人として失格だ、と思わせてくれたのは、キティさんやバツ丸さん、ダニエルさん、プリンさん、シナモンさんたちの、仕事ぶりである。
この固有名詞、ナンノコッチャと分からぬ人たちもいるであろうな。半年前の私もそうだったよ。
でも今は、みんなを愛している。
多くの人たちを笑顔にし、幸せにするために、表舞台からは見えないところで、キティさんたちがどれほど努力を重ね、汗を流し、研鑽を積んでいるか、数か月間近で見てしまったからね。
人を笑顔にするのは、大変なんだよ、ホントに。たった40分だけど、一回終わると確実に痩せてるからな。
そして彼らは実に高度な表現力、演技力を持っている。
ダンスはするし、殺陣もこなすし、今回は歌舞伎の所作もすべて覚えたんだから。ポテンシャルがハンパないんだ。
のみならず、皆、芝居に心を籠めている。
ここ、とても大事ね。
あんな顔して、表面的なカタチだけじゃないんだよ、キティさんたちが追求してる境地は。世阿弥のように、この分野での演技の奥義を掴もうと真剣に取り組んで、試行錯誤を繰り返してな。
稽古場でも、リアルに涙を流して、演じている。
いい役者たちだよ、と演出家として断言しときます。
疑う人は騙されたと思ってその舞台を見てみてくれ。良い芝居してるから。
とはいえ、これほどの名演技を毎日してても、劇評ひとつ出るわけでもないし、彼らの技や演技を、しかるべき目利きが褒めることなんてこともないわけだ。彼らを愛することはあってもね。その努力までは見ちゃくれないし、評価もしない。
しかし彼らはそんなことに目もくれず、ただただ、彼らの劇場に座るお客さんたちを笑顔にさせようと汗だくになるだけ。
でも、そこに、大きな喜びと誇りを見出している、一流のエンターテナーたち。
彼らと出会い、仕事をさせて貰って、大袈裟ではなく、私は芝居とは何だろうと、もう一度考え直しましたよ。
ちょうど最近
「グレイテスト ショーマン」て映画を観て、それが見世物小屋で成り上がった男のストーリーで。
いろんなところが重なりまくっててね。
思うことアレコレだった。
映画の最後に 「真の芸術とは……」という言葉が出て来て。
これから見る人たちの為に、敢えて続きは記さないけど。
私が尊敬してやまないアーティストである、キティ一座の皆さんに、その言葉を捧げたいなと思いました。
そしてそのピューロランドの精神は
ニューカマーランドにも通じてゆくのであります。