『いとしの儚−100DaysLove−』 2000年初演
  一宿一飯の渡世に生きる無頼の博徒、件鈴次郎(くだんすずじろう)。二親の顔も知らず、妻子はもとより心を許し合う幼馴染みさえ持たぬ、天涯孤独の旅人である。ただし鈴次郎には一つだけ天与の才があった。それは博打の才である。鈴次郎には、サイコロの目を読むことができたのだ。そのために生まれてこの方、博打で負けたことがなかった。  
 ある日、鈴次郎が勝負を挑んだ相手は鬼であった。だが鈴次郎は臆することなく勝ち続け、鬼の持つすべての宝を巻き上げた。鬼は最後に、絶世の美女を賭ける。もちろん、鈴次郎はあっさり勝った。  
 鬼の賭けた美女とは、鬼が作る人造人間だった。人間の死体のよいところだけを集めて、一人の美女を作るのである。約束通り鬼は、心をこめて絶品の女を造り上げた。名を儚(はかな)という。  
 ただし、条件があった。百日たつまでは、抱いてはいけないというのである。死体を集めて造った身体と魂がくっついて本当の人間にまるまでに、百日の時がかかるというのだ。百日を待たずに抱けば、まさしく儚く水となり、流れてしまうのだ…  
  中世の絵物語「長谷雄草紙」を元に、横内が書き上げた時代劇ファンタジー。扉座初の本格的恋愛物語。
*登場人物 23名
*テアトロ掲載  '00年6月号
*上演用コピー台本有り
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