扉座
 

『サツキマスの物語』横内ご挨拶

 

サツキマスという不思議な魚のことを近藤正臣さんから聞いたのは、10年前『アゲイン−怪人二十面相の優しい夜−』の公演の時だ。

旅公演で愛知に行った時には、近藤さんの愛する郡上八幡の釣り師が、吉田川で釣り上げたサツキマスを劇場まで届けてくれて、その伝説の大魚を食する機会まで得てしまった。

その時からサツキマスを書くことは、私の使命になった。

そして今年の6月の終わり、『百鬼丸』の稽古を3日休んで郡上八幡に行き、近藤さんと地元の釣り師の方の指導の下、サツキマスの幼体である、あまごを一匹釣り上げた。


小さいカラダに大海に向かって川を下る力を秘めた、あまごの手応えは、今も掌にジーンと残っている。機は熟した。

いよいよ念願のサツキマスを書く。

近藤さんも、出演してくれることになった。

元劇団員の菊池均也も帰ってくる。

出演者が、魚のコスプレをするかどうかは、見てのお楽しみだ。

近藤さんからは「河童だけは勘弁やで」と言われている。

                  インチキ釣り師・横内謙介


サツキマスを食す 1999
郡上八幡での「取材」 2009