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R36連続対談 
第2回
横内謙介×高木トモユキ×大森美香

今日のゲストは、大森美香である。『きみはペット』(TBS系)や『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(NTV系)など、引く手あまたの新進脚本家。舞台作品は、今回が初めてだ。どんなサポートでもするぞ!と心に決めた扉座は、物語の構想に基づくリサーチも兼ねて、ワカモノをひとり、座談会の場にほうりこんでみたのだった。

取材・文 小川志津子

Photo 対談:横内謙介×高木トモユキ×大森美香

横内 今日は顔合わせも兼ねて、トモ(高木)のことをリサーチしてもらえたらと思って。面接オーディションみたいな感じで。

大森 そんなそんな、大それたこと……! (高木に)よろしくお願いします。

高木 こちらこそ、よろしくお願いします(すでに汗だく)。……あの、実はうちの妹も、女優をやってるんですけど。『カバチタレ!』の最終回で、大森さんにとてもお世話になったって言ってて。

大森 えっと、タカギさん……高木りなさん!? 妹さんなんですか!

高木 そうなんです。今日はまずそれをお伝えしないと、って思って。

大森 うわあ、ご兄妹で役者さんなんですね。りなさんによろしくお伝えください。お兄さんは、いつもはどんな役が多いんですか?

高木 そうですね……どちらかというと、軽い感じの。

大森 ダメっぽい?

高木 はい、とてもダメっぽい(笑)、バカっぽい役が多いですね。ほんとは、イイ奴なんですけど。

大森 自分で言ってる(笑)。でも扉座さんは、研究生から劇団に残れる人って、すごく少ないって聞きましたよ。

高木 僕のときで、4人ですね。

大森 すごいじゃないですか!

高木 いや、ジャンケンが強かったんです。(一瞬の静寂)……嘘です、すみません。

一同 (笑顔でスルー)

――大森さんは、初対面の役者さんと会うときはまず何を見ますか?

大森 素の姿、ですかね。オーディションとかでも、わざと不意を突くような質問をして、考えるときにどんな顔をするかを観察したり。あと、一度せりふを読んでもらって、「もうちょっとここをこうしてください」ってお願いしてから、2回目をやってみたときの変わり方を。“自分”をかっちり固めていて、全然変わらない人もいるし、素直に変えてくる人もいる。そのあたりの順応性や瞬発力を、見たりしますね。

横内 本を書くときは、まずはどういう手順から入るんですか?

大森 最初に考えるのは、シチュエーションですね。こういう人がこういう状況に飛び込んだらどうなるか、をまず考えて。で、そこには他にどんな人がいるだろう、とか。ひと組の男女がいるとしたら、身長はそれぞれ何センチぐらいで、どっちがどっちを見下ろしてしゃべるのか、とか。

横内 そういうひとつひとつのピースは、今までの自分の経験から来たものなんですか、それとも他から見聞きしたもの?

大森 何でしょう……勘ですかね(笑)。自分が次に何を観たいか、っていう、感覚で作っていくことが多いです。説明シーン続きで退屈だなあと思うと、次はとんでもないシーンを入れたくなるとか。

横内 その直感は、最初から持ってたものなのかな。

大森 というと?

横内 いや、あなたの経歴からいくとさ、OLを辞めてテレビ局の契約ADになって、でも「このままでは自分の作品が作れない」と思いたったわけでしょ。

大森 はい、「監督になりたい」って思いました。

横内 それでいきなりシナリオを書いて、プロデューサーに持って行ったら、「面白いからやれ」って言われて、それが脚本家デビューに至ったわけでしょ。その時点で、いきなり書けちゃったの? 

大森 ADの仕事って、撮影の準備をするために、相当数の脚本を読み込むんですよ。そうしてるうちに、たとえば1時間もののリズムや要領は、なんとなくつかめるようになっていたのかもしれない。だから「次はこういうシーンにしよう」っていうのも、自分の生理に合うように書いてたらそうなった、……っていう感じで。

Photo 対談:横内謙介×高木トモユキ×大森美香

興味が3つあれば最後まで書ききれます

――そのころと今とで、ご自身の中に何か変化はありますか?

大森 んー……あんまり変わってないような気がしますね。この仕事で食べていけて幸せだなあって、素直に思うし。

横内 「もう辞めちゃおう!」とか思ったことはないの? 「もうやだ、おにぎり屋さんになるっ!」とか。

大森 え、横内さん、あるんですか?

――おにぎり屋さんに?

横内 おにぎり屋さんじゃないけどさ(笑)。でも、あったよ。辞めちゃおうかなあ、って思うこと。だって、昔は頼まれもしないのにバンバン脚本書いてたはずの同業者たちがさ、今はすごく忙しくって、顔を合わせると「うわ、今年、まだ書くんだ?」「うん……もぉしんどいよ……」みたいな感じで、あんまりうれしそうじゃないんだよね。

大森 そうなんですか……じゃ私にもそういう時期がくるのかな。

横内 ということは、まだ、ないんだね。

大森 ないですね。

――どんな企画の仕事でも、ですか?

大森 いや、「これはまったく興味がない!」って思うものは、キツいなあって思いますけど。でも、何かしら興味がわくことがあれば、大丈夫。題材でも出演者でも、何でもいいから、惹かれる要素が3つぐらいあれば、多少つらくても最後まで書き終われます。

横内 ……トモ、聞いてる?

高木 え、聞いてます聞いてます! 今のお話はものすごく、共感できますよ!

横内 ほんとかよ!

高木 ほんとですよ! 僕も最近、どんな仕事でもバイトでも、それをやる理由を自分なりに見きわめるようになってきたというか。

横内 へえ。

高木 研究所に入って最初の頃は、ダンスのレッスンとかがもう嫌で嫌で。ダンスなんてカッコわるいと思ってたし、「芝居がやりたいのに、なんで踊んなきゃいけねーんだよ?」ってスネてたんですよ。でも最近は「役者は何でもできたほうがいいんだ」ってことがわかってきて。特に『ドリル魂』の再演で痛感しましたね。余計なものはかなぐり捨てて、みんながむしゃらに練習したから、歌もダンスも、初演のときより確実にうまくなってた。

横内 昔のトモはひどかったもんな。舞台上にあがると、何かよくないことをやらかしそうな気配がずーっとしてて、こっちはみんなドキドキしてたんだから。

大森 あ、役者さんがドキドキしてるのって、客席から観ててもわかりますよ。観てる方が、手に汗握っちゃうような。

横内 いや、観てる人をドキドキさせるほどの存在感は、まだ高木にはないんだよな。ただただ、共演者をドキドキさせるばかりで、特に何の役にもたたない。

高木 あの……話題、かえませんか(笑)。

Photo 対談:横内謙介×高木トモユキ×大森美香

高木さんて人が、わかってきました。

――高木さんは、わりと天然さんですか?

高木 天然じゃないです! 天然じゃないですよ僕! ね、横内さん、天然じゃないですよね!?

横内 少なくとも、演劇のような繊細な表現に向いてる人間ではないな(笑)。妙な図太さがあるんだよね。一度こいつに、合コンに誘われたことがあるもん。

大森 えーー!?

横内 今までいろんな劇団員がいたけど、合コンに座長を誘った男は初めてじゃないかな(笑)。それも、劇作家のオッサンなんか混じってもどーにもならない意味ナシ合コン。

――なぜ誘ったんですか?

高木 いや、なんとなく。一度ぐらい、そういうことがあってもいいかなって。

横内 意味わからないでしょ(笑)。変な男なんですよ。こんな“街の遊び人”タイプが、何がしたくて演劇なんかやってるのか、と。

大森 何がしたいんですか?

高木 表現が、したいです。

大森 はあ。

高木 なんかこう、自分が哀しい気持ちになったら、それを他の人にも伝えたいって思うんですよ。……おかしいっすかね?

大森 いや、おかしくないですよ全然。やってみたい役とかはありますか?

高木 んー……なんか昭和の、懐かしい感じの。

大森 『歌姫』(TBS系で放送中)みたいな?

高木 ああ、いいっすね。あと『三丁目の夕日』とか。

大森 あー。……高木さんって人が、見えてきた気がします。なんというか……何かが、軽薄。(一同爆笑)

高木 軽薄??

大森 言葉に、そんなに重みがない感じ。ご本人はとても、真面目な方なんだけれど。たとえば……高木さんは、どんなタイプの女の子に惹かれますか?

高木 (即答)いろいろです!

一同 ……あーー。(納得)

――じゃあ、彼に何かラブストーリーを書くとしたら、どんな役を与えますか?

大森 そうですねぇ……お医者さん。

一同 えーー!(騒然)

大森 彼はまだ研修が終わったばっかりで、しっかり者の看護士さんがいて……みたいな。とにかく、何か制服を着せたほうが光る気がしますね。お医者さんとか、おまわりさんとか。何かひとつ、型にはめてみると、制服と中身との間にギャップが生じて、面白いことになるんじゃないかと。

Photo 対談:横内謙介×高木トモユキ×大森美香

聞く男と、聞く女。

――ラブストーリーを書くときは、ご自分の希望も織り込まれていたりしますか?

大森 どうなんでしょう(笑)。でも少なくとも、「こんな人は嫌だな」って思いながら書くよりは、「こういう人がいたらいいのにな」って、自分の好きな方面に引き寄せて書いてるところは、あるかもしれない。

横内 好きな方面って、どんな?

大森 よくしゃべる男性。男女の掛け合いを書くのが好きなんですよ。今回も、とにかく登場人物をしゃべらせたいと思っていて。しゃべるだけしゃべり続けて終わる、みたいな。

横内 え、「しゃべる男は嫌い!」っていう女性のほうが多いんじゃない? 女性は基本的に、自分の方がしゃべりたいんじゃないかと思うけど。

大森 いや、男性もしゃべりますよー。自分の話を延々してる方とか、ほんとに多いと思う。

横内 耐えられる?

大森 楽しく聞いていられる相手と、耐えられない相手がいます(笑)。どんなに興味のない話でも、相手のことを好きなら、自分も興味を持とうとするので。

高木 それ、僕もわかります。好きだったら、知りたいって思いますよね。

横内 自分が主導権握ってしゃべったりは、しないの?

大森 仕事の愚痴とかをしゃべるんだったら、絶対女友達の方がいいです。男の人に、そんな聞き上手はいない!

横内 お、断言した(笑)。

大森 私の乏しい経験則から言うと(笑)、若い男性は「自分はいまこういうことで悩んでる」とか「でもこうやって乗りこえてやるんだ!」みたいなことを語るのが好きだし、(年齢が)上の方の男性は自慢するのが好き。「俺にはこんな友だちがいてね」とか「ワインというのはね」とか。だからどっちの場合も、聞く側にまわるほうが便利だし、楽しいんです(笑)。でも横内さんに言わせれば、真逆なんですよね?

横内 うん。女性がしゃべり始めたら、「正論なんか差し挟んじゃイカンぞ」って自分に言い聞かせてます。

大森 あはは、わかります!

横内 「それは自業自得だろ?」とか、女性に絶対言っちゃダメ。

大森 「いつまでも夢見てんじゃないよ!」とかも、男性には言っちゃダメですね(笑)。

――では最後に、大森さんの思う「LOVE」について聞かせてください。

大森 お互いに、変わりながら続いていくものだと思います。変わりながらじゃないと、続かない気もするし。その変化を、お互いに面白がれたらいいなあって。

横内 ほお。

大森 たとえその恋愛が終わっても、“なかったこと”には絶対ならないじゃないですか。何らかの形で、その後の自分の一要素になっていくでしょう。そういう意味で言えば恋愛は、どんな形にせよ、完全に終わってしまうことなんてありえないのかもしれないですね。

 

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