メリークリスマス!
久しぶりの更新。
いとしの儚 と ワンピースが終わって、一息つけるかと思ったら、いろんなことが溜まっていて、あくせく飛び回って対処しているうちに、時が経ち、
気が付けば、こんな時に。
今、支度しているのは、神奈川県・横浜のマグカル・アカデミーの特別講座としてやる、宝塚歌劇団のワークショップ&トークショウ。
歌劇団の現役バリバリの作家、植田景子さんの指導で、現役生のホープおふたりが、お手本を見せてくれるという、
宝塚歌劇団の百年の歴史の中でも、稀有な催しが実現したのである。
来る1月の8日、9日、神奈川芸術劇場のスタジオで開催する。
マグカル、宝塚ワークショップでぜひ検索されたし。
実技体験希望者も、今申し込めば、まだ間に合うかも。見学のみも可である。
ところで、この秋は、本当にいろんないろんなことがあった。
良いことも、辛いことも。
ひとつだけご報告しておく。
私の高校の後輩であり、演出助手をずっとやってくれていた則岡正昭君が、10月に脳溢血で倒れた。
大阪の新水滸伝、ワンピースと2作続きで助手を務めてくれていて、どちらも彼がいなきゃ幕が開かなかっただろうという仕事ぶりだった。
倒れたのは、ワンピースを無事に開幕させた、後。
そこから更に大変な仕事が続く猿之助さんや、俳優たちと現場スタッフには申し訳ないけど、我々演出席チームは、やり遂げた感に溢れて、ささやかな祝杯をあげて一旦解散しようと相談していた、そんな頃……
実はその時、容体は深刻であった。
病院の説明を伺って、覚悟もした。
でも幸い一命はとりとめ、数日して意識も戻った。
ただ、ほとんど動けない状態だった。
こちらが一方的に話すだけの見舞が続いた。
しかし病院を移って、リハビリが始まったと聞いて
1週間前に、その新病院に見舞いに行った時には、椅子に座って、飯を自分で食べていた。
俺の顔を見て、
「今、オレ、インフルなんで、入っちゃダメすよ」と制したりして。
彼が倒れて以来、初めて聞いた言葉だった。
その驚くべき回復に、驚いた。
だって一人で、普通に飯なんか食ってるし。
嬉しかった。
インフルだから出来なかったが、抱きしめたかったよ。
もちろん、大変な手術だったので、すべてが回復するまでは、時間がかかるだろう。
でも、この数週間の劇的な変化を見ていると、希望が膨らむ。
治療は終わって、今はリハビリの日々である。
頭脳はかなりクリアらしくて、洋画のDVDとか、見てたりするらしい。
のりさんらしく、かなり高尚なラインアップで、ライブラリーが形作られていた。
演劇界の近しい人たちには、劇団からお知らせはしたつもりたけど、初耳で、驚いたという方もいるだろう。
そんなことがあったのです。
ただし、とても良い方に動き始めている。
ぜひ、彼のことを応援してあげて欲しい。
2月にまた、ワンピースの稽古があるんだけど、そこに元気な姿を見せに行くことが、当面の目標である。
ワンピースの関係者、出演者たちも、扉座座員も、そして多くの仕事仲間たちが、入れ代わり立ち代わり、お見舞いに来て、彼を励ましてくれた。
今や演劇界では、有名なスタッフだからね。
のりさんがいてくれなきゃ困るよ、と。
お見舞いノートに、たくさんそう書かれていた。
きっと、そういう思いを、演劇の神様が聞いてくれたのだと思う。病気の神と、交渉してくれたのだ、きっと。
そりゃ、何ごともなく、いつも通りのクリスマスを迎えるのが良かったに決まっているけれど、
何か、ひとつでも条件が違っていたら、
のりさんの気力、踏ん張りが効かなかったら。
沈黙のクリスマス、笑えない年の瀬になるところだった。
のりさん、よく頑張ってくれた。
ありがとう!
皆さま、
いろんな場所、いろんな思いで、この聖夜を迎えておられることでしょう。
深刻な困難を抱えて、過ごしておられる方もいるかもしれない。
でもどうか、挫けないで。
今日1日は、奇跡とか、幸運とか、人の善意とか、を信じてみましょう。
皆が信じれば、世界は変わると、レノンも歌ってる。
あなたが置かれた環境や、状況も、変わる時が来るかもしれない。