AbemaTV  #声だけ天使 のプロデューサー藤田晋社長のこと 

 サイバーエージェント、藤田晋社長と対談というか、ふたりで取材を受けた。
 目下、配信中の連続ドラマ #声だけ天使 について。

 そもそもこの脚本を書くきっかけは、藤田さんが我々が大変お世話になっている幻冬舎・見城徹社長と親友ともいえるご関係で、扉座の幻冬舎プレゼンツ公演を見て頂いたことにある。

 藤田さんには、いつか連ドラをやりたいという思いがずっとあって、そのタイミングを探っていたが、その過程で、良さげな原作は、マンガも小説も、ほぼテレビ局が握っているという事実を知り、呆然となさったのだそうだ。

 ネットTV という新参チームが既成のテレビ局と勝負するには、発想を変えて別の手を使うしかない。
 つまり原作モノに頼らない、オリジナル作品への挑戦。
 で、『つか版・忠臣蔵』『郵便屋さんちょっと』を見て下さっていた藤田さんは、この舞台ぐらい登場人物たちが個性的で、しっかり絡まり合うドラマなら、面白くなるのではないか、と思ったと仰っていた。
 それでご指名頂いたという、光栄な話です。

 でもここまでは、私も直に聞いて知っていた話。

 今回、もう一つ裏側の打ち明け話を初めて聞いて、この希代の起業家の凄さをしみじみ噛みしめた。

 横内さんに頼んだ一つの理由には、見城さんに紹介して貰ったとことも大きいと。
 「このルートで頼んだ仕事なら、絶対に手が抜けないだろう」
 尾形監督も同じです。
 「尾形監督も見城さんの伝手で、かの周防正行監督から、素晴らしい新鋭がいるからと、紹介を受けたのたが、見城~周防ルート、で紹介されて来た人なら、裏切れないと思い、死に物狂いでやるに決まってるじゃありませんか」

 どんな仕事も、手を抜くつもりなんか、私はないけどね。
 
 かなりの覚悟を決めて臨んだことは確かである。ここで見城さんの顔を潰すわけにはいかない、と辛い時は何度も思って、踏ん張った。
 秋元康さんから依頼された、仕事の時もそうだった。
 思えば見城さん周りの方たちから、いろんなお仕事を頂いてきたが、常にガチで、生きるか死ぬかみたいな真剣勝負になってしまう。
 藤田さんも秋元さんも、ただの資本家じゃないからな。この人たち自身が、いつもとんでもないものをクリエイトし続けておられる。
 その人たちから依頼されるのだから、おのずと勝負は厳しくなる。

 とはいえ、正直、最初の頃、いやこの対談でじっくりと伺うまでは、藤田晋という人は、私にとって捕えどころのない人だった。
 誠意と情熱は、感じていた。
 何しろ、これだけ忙しい人が、立ち上げの頃の会議の全部、ご出席されている。かなりしょうもない雑談しか生まれなかった時も、ニコニコして参加しておられた。

 しかし言ってる事は、このドラマに三億用意している、放送回数、尺も特に決めていない。それは中身に応じて合わせる。監督も、主演も決めていない、とにかく良い企画、脚本を作って、そこからスタートする。

 今考えても、スゴイことだけど。
 それだけ言うと、細々とした縛りは一切なし。
 主役を、まごころだけが取り柄のブサイクな専門学校生 にしたいと言って、ああそれでいいですと、即答頂き、実際そういうドラマが今、配信されているのだけど。
 しかも、その俳優を、結果、まったく無名の新人をオーディションで選ぶことになるんだけど。
 それでいきましょう、と。
 有り得ないだろ、フツー。
 テレビ局なら、絶対どこかでストップがかかった話である。

 ブサイクとか、セリフでは言われるけど、どう見てもイケメンだろうという若手が、変なメガネかけてやることになったりな。
 今回の亀田君は、本当にもう、昔の六角精児みたいな雰囲気の新鋭だ。
 昔の俺に似ていると、六角本人が言うのだから間違いない! 

 三億出しながら、イチイチ指図してこないで、何でもかんでもハイどうぞ!とスルーで認めて、この人、本当にこれでいいんだろうか、やっぱりコレ、大金持ちの道楽なのでは?
 とこの頃は、私は半分疑っていた。
 今更ながら、不明を恥じる。
 
 この対談で藤田さんが仰った。
 
 監督とプロデューサーのリクエストも、ほぼ、無条件で受け入れたんです。
 全員、脚本のイメージに則してオーディションで選ぶなんて、面白いし、とても尖ってるじゃないですか。

 でも、そのリスクは小さくないでしょう?普通の感覚ならば、保険として、顔の売れてる人とか、入れ込みたくなるでしょう。

 そのリスクを半端に怖がり企画を歪めるより、潔くすべてを受け入れて、監督たちが言い訳のできない環境にする方が、ずっと得だと思ったのです。
 すべての力を尽くして、全力で取り掛かりたくなるでしょう、その方が。
 結果、良い作品が私の手に入るはずです。

 この言葉聞いて、私は、久しぶりにしびれましたね。

 事実、私も言い訳の出来ない所まで追い込まれた。
 何しろ自分で出した企画が、ハイ良いですねと通され、それがどんどん実現化してゆき、無理だろうなと思うような設定なども、ブレずにそれでやって下さいと背中を押され、

 気が付けば、大きな責任とやりがい、この二つを背負って、邁進するしかなくなっていたもんな。
 
 そういう意味で、何にも言わずにニコニコしていた藤田さんにまんまと追い詰められて、実力以上に頑張ったことは紛れもない事実だと思う。

 ジワジワ話題にはなっているけど、まだまだ当たったとは言えない状況らしい。
 でも、私は仕上がりに満足しています。
 アベマテレビの本気の姿勢をきちんと発信出来てることが嬉しいです。
 今後、このハードルを越えて創り続けるのは、大変だけど。それが出来たら、必ず勝てる日が来ますからね。

 そういって下さったのが嬉しかった。

 「実際、すごく面白いし、これから先、視聴者がどう受け止めてくれるかとても楽しみなんですよ」

 私の能力に期待し、全幅信頼を寄せて。こんな大仕事を任せて下さった、私より一回りも若いこの社長に、深く感謝しつつ、
 思わず言ってしまった。

 あのニコニコの裏で、そんなに深く計算して考えてらしてたんですね。
 実はずっと得体の知れない人だと、思っていたんです、
 まんまと、社長の術中にハメられて、我々、全力疾走させられていましたね。

 諸君ね。
 私がこの日、こう告げた後、藤田さんがポツリと漏らされたお言葉が更に、しびれるよ。
 皆、メモれ。

 「私、人を使うのが上手いので」

 

 俺も人を使うことが多い人間である。
 上手くなりてえな!


 

   

  

  
 
 
 
 
 

  




 

   


 









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