中性脂肪 と 腹回り

 人から、スリムですねえ、などとよく言われる。

 お世辞も多分に有ろうが、でも、多くの同世代の人々の無惨なブクブクぶりに比したら、ましな方だろうと思っていた。

 んが
 今日、恒例の人間ドックに行って。

 腹回り寸法が、安全域を超えかかっており、
 中性脂肪が、基準値を超えていると指摘を受けた。

 おまけに、エコーでの、膵臓撮影が、ガスかもしくは 腹回りの脂肪のせいで、不能という結果に終わった。

 何たることか。
 わしはメタボおやじであったのだ。

 まあ
 お腹のタプタプは、自分では分かっていることだったけど。
 でも、そんなに飲み食いしてないのだが。稽古の時の弁当とか、ほぼ手を付けないようにしているのに。

 しかしおそらく、代謝というものをしていないのだろう。

 そんなカラダの気配が、自分でもようく分かる。何か、体内でエナジーが燃焼しているみたいな感じが、最近とんとないのである。
 活動はしてても、常にエコ運転みたいな。
 
 この夏の猛暑の中でも、汗を掻くなんてことはほぼ皆無だったし。
 
 ともあれ、気をつけて生活改善をしなさいと、言われた。
 その他の数値は、ほぼ安心域ではあった。

 さて
 ところで
 エコー、すなわち、超音波検査である。
 去年もおなじようなこと言ってた気がするが。
 どうしても気になる。

 はい、そこで前をはだけ、腰骨のとこまでズボンをおろして、仰向けで寝ころんで下さいね。
 はい
 ジェルを塗ります、ヌルヌルします。

 と何か分からぬ、ヌルヌルエキスを、ナースが手でお腹に広げてくれる。

 んで、
 その上から、変な機械を押し当てて、さらにヌルヌルさせて、エコーで内蔵を撮影するのであるが。

 その間にも、ナースが、もう少しズボンおろしまーす、とか言って、パンツの淵に手を掛ける。
 そして、グイとおろす。
 おっと。

 思わず私の口から漏れる、うっ、とかの、吐息。
 ハイ、もう少しそのまま我慢して下さいね。まだですよ、まだですよ。

 やがて
 ハイ、終わりました。

 そういうや否や

 シュシュシュシュシュ とナースは高速の早さで、テッシュを掴みだし、ジェルでヌルヌルになった私の下腹部少し上辺りを、拭う。

 このジェルがまた、なぜか微妙に生ぬるいのである。
 人肌としか言えぬぬくもりで。

 はい
 拭き足らないところは、ご自分でよく拭き取ってくださいね、
 お支度が済みましたら、そのカーテンを開けて、係のモノにカードをお渡し下さい。
 おつかれさまでした。

 人間ドックに行き始めて数年、もう何度もやって貰っていることだけど、これをして貰うたびに、つまらぬ夢想に耽ってしまうのは、私だけであろうか。

 私の行く病院では、受診者は、幾つかある部屋に順番に振り分けられるのであるが、そこには担当さんの名札なんかも下がっており
 
 うわ、僕は、誰のお部屋に呼ばれるのだろう、なんて。

 たまーに、担当さんが部屋から顔を出して、僕らの名を呼んでくれるのであるが、その度に、人間ドック受診中のオッサンたちが、カッコイイとは言えぬ受診ユニフォーム姿で、一斉にサッとそのナースに視線を送るのは、紛れもない事実。

 みんなの思いは一つである。
 指名制はないのか。多少、料金がかさんでも構わないから、なんて。 

 にしても 
 想像するだに、困るのは、この係が、もし男性だったらと思うこと。
 なくもない話だと思われるが

 その時は、キャンセル3回まで無料の、チェンジシステムをぜひ導入して欲しい。

 まあ
 メタボのオッサンが、何を言っても滑稽なだけであるが。

 
 
 
 
 


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