門弟100人
新浄瑠璃 百鬼丸 三回目の公演に向けて稽古中。
初日までまだ三週間ほどあるんだが、チケットの売れ行きが存外良い。90%を超えていると言うのである。
これは存外過ぎて、座員一同、まったく信じられず、これには絶対に何か落とし穴があるはずだ。やがてどんでん返しを食らうはずだ、と逆に不安になっている。
素直に 期待されてる! 面白がられてる! となぜ思えないのか。喜べないのか。
不遇の時代が長いと、こうして精神が歪むと言う例である。
結局、誰もデータを信じておらず、セッセと宣伝に励んでいる。かく言う私も、油断は微塵もない。
チケットは売るほどあります! 助けると思って、ぜひ扉座の代表作を見に来て下さい。
ところで、その稽古の一方で、春の人集めが今日、一段落した。
〇 扉座俳優養成所
〇 厚木舞台アカデミー
〇 かながわ マグカルパフォーミングアカデミー
〇 すみだパーク演劇部
うちの本丸というべき、扉座総本山の、若者集めが若干苦労したが、今日オーデションしたマグカルも、厚木の子供たちのアカデミーも、例年の倍以上の集まりとなった。
新規の演劇部、大人サテライト(50才以上)では、予定20を遥かに超えた応募があった。恐るべし、大人たちの中に秘められていた、芝居への渇望、情熱!
本丸に苦労しているのが無念である。しかし、昨今、劇団系の養成所では、うちに限らず結構な老舗も生徒集めに苦労していて、閉鎖したというところも少なくない。
そもそも若者の数が減っている上に、若者の気質も変わって来ている。総じて一年がかりで芝居を学ぼうなんて、今の若者には余裕もガッツもない、という傾向なのだそうだ。
でも、そんなうちも必死で宣伝に努めて、去年以上の研究生を得た。
これにて、来年の2月、スクラムはパワーを増して組めることになった。
で
今日、マグカル・オーディションを終えて、ざっと数えてみたら。
な、なんと門弟の総数が100人を軽く超えている。
その年齢差、厚木の小学四年生から、すみだの72歳まで。
こんなに人集めして、いったい俺は何をしようというのか、と軽くめまいがした。
到底、私一人で面倒を見きれるはずもなく、劇団の内外の同志たちの協力の下、活動してゆくのだけど。
にしても、これが全員一堂に会したら、さぞ壮観なことであろうよ。
しかも、それで一つの舞台を創り上げたとしたら、更に絶景なことであろうよ。
せっかく始めたことだし、皆みな、意欲に燃えている人たちばかりだし。
この上は、どの集まりも、少しでも長く継続して活動してゆく所存である。
そして夢見る。この中から、目覚ましい活躍をする新しき人たちが、それは歳に関係なく、次々と現れることを。 何しろ、100人以上がいるのである。
その可能性は、高まるばかりであろう。
チケットがちょっと売れてるぐらいで、うろたえている場合ではないのである。
100人以上が立つステージなんて、演舞場でも狭いぐらいだ。
我らの今後にぜひ、期待して頂きたい。