ラブ×3

 ドリル魂 横浜現場 の進行と同時に、12回目の
 ラブ×3を作っている。

 今日も、その稽古に。

 佐藤治彦さんから提供して貰った、短編を稽古した。

 佐藤さんは、経済評論家である。時々、テレビなどにも出て、不況の問題など語っている。

 知り合った、十数年前は、完全にその道の人だった。

 でも知り合った頃から、猛然と演劇界に参入してこられ。
 今では 経済とH という自らの作品を上演する劇団まで主宰し、

 むしろ、お芝居の人 みたいなことになっている。

 その過渡期の頃、ラブ×3 に、何回か参加して頂いた。

 そして今回、久しぶりに また書き下ろしてくれた。
 でも今回は、かなり、プロチックな立場である。

 実際、書いてくれたのも
 いろんなとらえ方の出来る、繊細な男女の青春心理劇、みたいな短編だ。

 皆がエチュードで作る作品に混じり、
 いかにも専門的な作家の言葉が、ここにある、みたいな雰囲気で、
 今回の ラブ×3 の世界に深みを持たせてくれているのだけど、

 
 ただ、
 自分たちの世界である、エチュード作品と違って、
 作家の言葉を、肉体化するというのは、駆け出しの俳優にとっては、大変な作業で。

 実は、作家のセリフを言うことこそ、俳優の仕事なんだけど、
 まあ、ラブ×3 はそこらへんで、あんまり苦労しないように処理されているわけで、
 
 つまるところ、大変なのである。

 せっかく、良い作品を書いてくれたのに、
 申し訳ないので、
 必死に修正を加えてきた次第。

 にしても、
 初期の頃の、佐藤作品には、仕上げまでに、いろいろ手を加えた私だったが、
 今回は、一字も変えずに、そのまんま、挑ませて頂いている。

 それぐらい、
 緻密なホンになっている。

 佐藤さん、本当に、
 劇作家になったんだなあと、感慨深い。

 あのころ、会うたびに、芝居がやりたい、と言っておられた。
 勉強させて下さいなんて。

 それがねえ。
 

 たぶん、もう三十半ば超えてたはずだよ。
 彼が、そう言い出した頃には。

 遅すぎることなんか、ないんだね。
 
 
 そんな、
 佐藤さんも一本書いてくれた、ラブ×3 第12回
 
 
 間もなく開演。
 今も必死に、仕上げ中です。


  


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