カウントダウン
いよいよ公開が近づいてきた。
千葉の美浜で、試運転をして、そこから16年ぶりの札幌に乗り込む。
試運転と言っても、それは仕込みの部分で、芝居は本気モードでかかる。
だから今、総仕上げの追い込み中。
前回の演出を元に、数カ所の手直しを施し、
練り上げている。
でも、最も変わったのは、役者の力量だと思う。
この五年の蓄積は、少なからぬモノがある。
と言うか、少なからぬモノでなくてはならぬ。
まあ、初舞台みたいな新人も混じっていて、そこは例によって、今できることをしっかりやりなさい、というレベルではあるが
初演から五年を経て、再演している者たちは、
新たな発見をしつつ、ステップアップしているはず。
幸い、
スタッフは、現時点の通しを見て、
かなり大人の芝居になったねえ、と言ってくれている。
照明の塚本氏も、
あんまりチャカチャカ変えるのは避けて、じっくり芝居を見せようよ、と。
実際、今は、演出的にも、余計な装飾をどんどんそぎ落としているところである。
芝居できっちり見せようぜ。
今回はこれがキーワード。
山中崇史も、舞台を休んでいた3年半、テレビなどでは見せられなかった、
精魂フル注入の演技を、ご覧に入れる予定。
ひさしぶりに一緒に稽古していて、
今回のタカシの、ただならぬ気合いの入れ方に、
メジャーな外の飯を食ってきた、俳優の華を含んだ強かさと、その一方で増殖していたらしい、舞台への飢餓感を思い知る。
それがなかなか好ましく、私もつられて熱が入る。
今や、たぶん
『相棒』の若刑事の、タカシしか知らないというお客さんたちも、多いと思う。
そういう人たちにも、ぜひ見て頂きたい、扉座のタカシの姿である。
全国の『相棒』マニアの皆様、
お仲間へのお声かけを、
よろしくお願い致します。