劇場にていろいろ
オリビアを聴きながら
支度が進んでいる。稽古は来週からだけど、音楽監督と打ち合わせしたりして。
この音楽監督が、尾崎亜美さんである。
曲をお借りするだけだろう、と思っている人が多いと思われるが、さにあらず。
尾崎さんご本人が、監督としてスタッフに加わっていてくださるのである。
フツーないでしょ、こんなぜいたく。
ここんとこ、きちんと押さえて欲しい。
でそろそろ全開で、こちらに集中したいところであるが、明日から週末までは、別件活動を。
明日明後日は、横浜の青少年センターで、高校演劇のための夏期セミナーを。
そして土日は、劇作家協会のプログラムで
土曜の公開講座と、日曜日のシンポジウムをやってくる。
土曜の講座は、劇場という空間を考える講座。
戯曲セミナーの講義のひとつとして、実際に座高円寺の劇場を使って、芝居に書かれた台詞やト書きが、どのように舞台にのるのか、
セリフの文体によって、使われ方はどう変わるのか、といったことを、専門家以外の人でも楽しめるように解説する。
一般受講も可能なので、興味があったら、ぜひご来場下され。ガンちゃんとクッシーにも、手伝って貰う。
そして日曜日は
震災と芝居 のことを考えるイベント。
別役実さんと野田秀樹さんの対談がお昼からあって
3時半から、鈴木聡さんとワタシの進行で、いろんな劇作家に集まって貰って、座談をする。
メンバーなどは、劇作家協会のホームページなどでご確認下され。
これはそもそも鈴木さんと、
震災があって、我々が書くモノも変わるよね、お客さんだって、きっと何か変わってるものね
みたいなことを春に語り合ったのが 発端である。
でふたりで、企画して、起ち上げた。
確かにそういうことはあって
実際に 今度の『オリビアを聴きながら』だってぼんやりと企画を立てていた去年の構想から、かなり違ったものになってきている。
ノスタルジーと青春の痛み、みたいのは、当初からの予定だったけど、
甘く切ないだけじゃなくて、僕らが生きてきた、時代への思いと、反省みたいなのも、込めたくなり、単なるロマンスの話じゃなくなった。
反省というのは、簡単にまとめすぎではあるが。
でも反省だな。
いろんなことを、曖昧にしてきたツケが、今、明らかに回ってきているものね。
社会のことのあれこれを。たまたま安全が続いていたから、その幸運に紛れて、こだわることをないがしろにして。
アタシのことなんで、そんなに硬派になりようもないのだけど
今、この時に作る芝居だからね。
良いことも辛いことも、今が映し出されなきゃ、意味がないと思うのだよね。
それはたとえエンタテイメントにしてもね。
こんな時だから、徹底的に笑わせて、楽しませるのだという姿勢も含めて。
まあ、そんなことを、たぶん皆、それぞれに考えているだろうから、語り合うのである。
