暑いが、やる

 錦糸町の扉座稽古場。

 震災で、ぜったいに倒壊したと思っていた。
 でも、新タワーのように、しかと立っている。
 柳に雪折れなしとはいうが、

 近くをダンプが通だけで、三階まで微かに揺れる建物が、あの揺れで崩れない不思議。
 もっとも崩れちゃ困ったが。よくぞよくぞと誉めなきゃイカンね。
 ガタガタ揺れつつも、エネルギーをあちこちに上手に逃がしたんだろーね。
 人間関係もストレスも、こうありたいという手本です。

 しかし暑い。事務所が空調の工事入れてくれて、メンテもしてくれたけど
 焼けたトタン屋根の直下ではたちまち空気は暖まり、この時期の稽古は、キツイ。

 それでも 
 やるのである。
 
 今、芝居が出来ることは奇跡です。

 こないだ、渡辺えり さんが舞台で言ってた。
 そうだよね、ほんの五ヶ月前だものね。あの大地震は。
 あの時は、この公演だって、消えるかも知れないと思ったものね。

 まだ忘れるには早すぎる、いろんなこと。

 こんどの芝居は 音楽に溢れて、とても楽しいものになりそうです。
 でもその中に、ちょっと小骨が刺さってて

 それは、忘れちゃいけないことがあるんじゃないかって、
 忘れっぽい自分に問いかける思いの欠片であります。

 暑いけど
 今、こんなことを、やれる幸せを噛みしめて。

 

 
 
 
 


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

アーカイブ