隠しチビソックス問題
靴にすっぽりと隠れて、裸足のように見える靴下がある。
夏用のアイテム。
革靴的な場合、本当に裸足だと汗で妙な具合になったりするからな。
ならば、ちゃんと見える靴下を履けば良さそうなもんだけど、夏なのに暑苦しげで嫌だというか、お洒落じゃないから、靴下は隠したいという おかしな見栄である。
で私も、この季節が来ると隠し靴下にチャレンジしているわけだが、
これが、何とも、難しい。
私の場合、チビソックスの踵が、頻繁に外れて、靴の中、ちょうど土踏まずのあたりでクシュクシュに丸まってしまうのである。
歩くたびに靴の中で踏みつける、その感触が気持ち悪いこと甚だしい。
ショップ店員さんにアドバイスを求めたら、踵部分に滑り止めゴムの貼り付いたタイプが売られていて
これならバッチリすよ、と言われ、さっそくお薦めのちょい高級版を試した。
ところが、
ゴムの効き目はほぼなくて、やっぱりクシュクシュなってしまった。
高かっただけに、かなりのショック。
でもどこかに正解の靴下があると信じて
今シーズンも、またいろいろ試しては、失敗していて、
忸怩たる思いでいた。
いったい、何足、無駄に買えば良いのだ。
しかし、皆はどうしているのだろう?クシュクシュにならないのか?
今日、たまたま会った、助手の渡辺に訊ねたら、私も脱げて気持ち悪いです、と言っていた。やっぱり皆、悩んでいたのかと安心しつつも、皆がそんな不具合では、もう少し問題にして改善策を講じるべきじゃないか、と真剣に考えていると、
今日会った、山中崇史が、何と悩み深き、隠し靴下を着用しているではないか。
それ、脱げて、土踏まずに丸まるだろう、と言ってやったら、
いえ、コレは大丈夫なんすよ、踵に滑り止めが付いてるんで。
と見せてくれたものが、かつて店員に薦められた逸品。
俺はそれが脱げるんだよ。
え、オレ大丈夫っすよ。
どうやら踵の形状の問題のようであった。
俺の踵みたいに、グッと張り出してなきゃ、ダメなんすね、きっと。
絶壁踵は、ダメなんすね、きっと。
渡辺も絶壁なんだね。
踵が絶壁って、初めて聞いたけど、メーカーは早く絶壁用のやつを開発してくれなきゃ困るなあ、としみじみ思った、梅雨の晴れ間であった。