すみだパークスタジオ演劇部 始めます
ラブラブ絶賛上演中。
そして、新企画も発表した。
その名も【扉座大人サテライト】すみだパークスタジオ演劇部。
とりあえず50歳以上の人を募って、大人版の研究所(ちょいユルメ・仕事持ちつつ余暇で出来る感じで)をスタートさせる。
若者たちの「LOVELOVELOVE」に対し、こちらは「LIFE LIFE LIFE」てヤツを来年以降で創り、公演を定期化してゆくつもり。ただし、今度の「新浄瑠璃・百鬼丸」には、浄瑠璃隊として出演して貰う。いきなりの扉座デビューである。
こちらは、すみだパークスタジオと共同で運営してゆく。詳細は扉座HPで。
ところで衝撃の告白。実は 私が60になる歳、つまり還暦をもって、劇団を閉じる予定があった。劇作や演出の、演劇活動は辞めないが、ひたすら苦行のような劇団運営はもういいだろう、と思ってた。
今は57歳。劇団の予定って2年先ぐらいまでが常に動くので、予定通りならそろそろラストカウントダウンの告知を出すつもりだった。年号の変わり目とかに。
しかし、このタイミングで新企画なんか始めるわけで、つまるところは継続を決めたと言うことである。
またしても、辞める辞める言って、なかなか辞めない扉座だな。オオカミ少年か。少年じゃないことだけは確か。
私の還暦をもっての活動終了プランは、結構本気だった。ちょうど40年。一代座長で、ずーっと作演出で、こんなにやってるのは稀有である。幻の雪男ぐらい貴重な生物。今この時でも、良くやったよ、お前、と充分に自分を褒めて終えられる。
しかるになぜ続けるのか。
今、60を目前にして。この目に見えている風景が、あまりにイメージと違うのである。
私が子供だった頃、60歳と言えば、押しも押されもせぬ、ジジイ、ババアだったものだよ。当然、自分もそうなるものだと思っていた。
まあ、実際は、カラダの不具合もアレコレ生じてるし、寝起きの顔とか、押しも押されもせぬジジイなんだけどさ。それでも、とりあえず顔洗って稽古場行って研究生たちに混じって、バレンタインデーのチョコを渡す17歳の女の子の心情とか語り合ってる時、とても自分が、あの頃観た、大人たちのようになっている気がしないのである。
ヒステリックグラマーの、パーカーとか着てさ。
オレだけじゃないよ。岡森も、六角も同じような歳だけど。有馬だって2つしか違わないけど。いつも青二才の佇まいで、二十歳のころと同じことを、同じようにやってんだから。劇団創成期の感じと、あんまり変わっていないんである。
確かにふいに同級生とかに会うと、やたら老けた奴らもいるにはいるが、嘘だろ、って驚くような若さの奴らが大勢いる。45歳違いと言う加藤茶さんの境地は遠いが、演劇人の星、ラサール石井さんは、32歳差の再婚。
有馬なんか、まだ初婚も体験せず浪人生みたいな生活をずーーーっと続けてて。ここで25歳の舞台女優と結婚!なんて話が起きても、だれもそんなに驚かないだろう。
現実問題、彼が出演しているアチコチの稽古場、劇場では、そういう娘さんたちが相手役なんだし。
若い研究生たちは、還暦チームからすれば、正常な感覚で言えば、お年玉をあげなきゃいけない人たち。なのに扉座では、居酒屋行って、ここは割り勘だぜ、とかオヤジが平気で言ってる。
年寄ぶってる場合じゃないんである。
もう少し、年寄りからの風景がリアルに見えてこないと、一区切り感がピンとこないんだよ。
加えて、長生き時代である。俺だって明日何が起こるか油断はできないんだけど。
もう一方で、うっかり100歳ぐらいまで生きちゃう場合も想定が出来てしまって。
私たちが子供だった頃は、60を超えたら、あと少しだな、そろそろうちらの番だな、というのが大人たちの実感だったのだと思う。
しかるに例えば、私の家では、今年87になるオヤジがまだピンピンして、劇団公演の受付に立って、Tシャツとか売ってるのである。しかも、もはやリアル孫よりも若い劇団員女子にケーキとか奢って、おだてられてニヤニヤしている。
あの姿見せられたら、俺はまだ洟垂れだと思わざるを得ない。
恐ろしい時代である。
もし今ここで解散しても、5年ぐらいして、また何か劇団みたいなヤツ、始めてしまうような気がしてしまった。だったら続けろ、じゃん。
倒産とか、健康とか。心配は限りないけど。この風景が変わるまではな。
たぶんそういう思いの同世代の方たち、先輩たちも多いでしょう。そこから先を傍観者として過ごすには、我らの余生は長すぎますよ。
劇団ぐらい大変なことやらないと、退屈です。
新たな同志を募ります!