謹賀新年 ちと遅いが

 昨日は、厚木市文化会館で 六角精児バンドのライヴであった。
 
 若き日、演劇はダサイ、ボクはR&Bに生きますと、宣言し劇団を何度も脱走した六角。しかし、仲間たちと開くライヴではお客がさっぱり集まらず、メンバーはメンバーで、全員が演奏中、恥ずかしがって後ろ向きに、後ろ向きになってしまい、盛り上がらぬ事甚だしく。
 誰が観ても、ヤマジ君は、エンゲキで面白いことやってる方がいいよ、の状態だった。

 R&Bの、上手い下手は分からんが、とりあえず皆、前向いて演奏した方が良いと思う。

 とアドバイスしたのを覚えている。
 憮然とした若き日の六角は、R&Bは後ろ向きでいいんです、と言ってたけど、んなこたァねえだろうよ。

 そんな六角が堂々と舞台の真ん中に座り、ホールの客席を睥睨して野太く歌う姿に、感慨深いモノがあった。当たり前だけど、メンバー全員、前向いて。
 常々、六角バンドの弱点は、オリジナル曲のないことだと感じていたけど、知らぬ間にオリジナルも増えていて、ついでにCDまでリリースしている。
 
 ギター江上氏と、ベースのゴロウちゃんが、プロとしてしかと支え、
 ポール・マッカートニー、ザ・タイガース と続いた伝説ライブ連チャンの三番目として、並ぶと言っては誉めすぎだけど、楽しく充実して時が経つ、とても良き催しだった。

 企画運営して下さった厚木の皆さん、どうもありがとう。

 ところで年末のザ・タイガース
 これはもうね、ライヴというより、ライフというね、人が生きて歌ったり踊ったりすることの意味を噛みしめ、
 それが長く続くことの素晴らしさが、胸に染みいる時間でありました。
 そして仲間を大事にする人は、美しい、と。
 
 正直言えば、タイガースの頃はまだ子供過ぎて、ソロになったジュリーのフアンだったんですがね、私は。

 それでも聴く曲のほとんどは知らぬ間に知っていて、
 花の首飾り~君だけに愛を~シーサイド・バウンド~
 
 辺りでは人目も憚らず、ジュリー! と叫んでおりました。

 叫ぶと言えば、私、最近、よく小屋で叫びます。歌舞伎で言えば、大向こう。ね。
 歌舞伎のタノシミカタ、以来、声掛けがクセになっちゃって。

 愛媛・坊っちゃん劇場でも、演出忘れて、役者の名を叫んだりしています。浄瑠璃とか取り入れてるから、そういう盛り上げが欲しいというキモチもあってなんだけど、
 自分が楽しんでやってる方がちと大きい。

 で先日、宮川浩の「げんないデビュー」とか、神や大沢健チャンの卒業さよなら公演とかでも、ヒロシっ、とかジンとかケンとか、掛け声を一人で盛大に賭けておったわけだ。

 んでその夜、お呼ばれがあって、松山の歓楽街・二番町辺りで歓談しているときに、従業員が、
 「さっき、坊っちゃん劇場に今日行ったという団体さんが来てたんですよ。なんかスゴイ掛け声とかかかって、盛り上がってたと言ってました」って。
 
 まさか、それは私ですとも言えず、

 おお、掛かってた掛かってた、と言っておいたけど。

 その声が、叫びすぎて、かすれていたものよ。

 ともあれ、大晦日元日遠征も無事に済ませ、ガンちゃんを「げんない」に送り込み、今日は錦糸町の ラブ×3 稽古に。
 明日からは、4月からのわらび座でのロングラン上演に備える「げんない」の稽古のため雪の角館へと。

 新年のスタートをした私であります。

 六角のように前を向いて、行こうと思います。
 ジュリーのように仲間を大事に
 ポールのように、出し惜しみナシで行きます。

 おお、ジュリーとポールと並んでるぜ、ロッカク。

 ともあれ、本年もヨロシクお願い致します。
  


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