芸能事務所社長
嫌でも、のりぴーのことが耳目に飛び込んでくるのである。
んで、物思うのであるが、
私の中で、これはきっとフツーの感覚じゃなかろうと思うのが、思わず知らず、そうなってしまう。
社長目線 である。
うちも芸能事務所を一部やってますからねえ。
少なからぬ俳優を抱えて、いろいろお仕事もさせて頂いておるわけだ。
しかし
だからといって、お前さんのとこは 彼らの私生活までしっかり管理できてるかどうか、と問われたら、これはもう、
ふだん何やってるか、よう知りません
と申し上げるしかないのである。
ぶっちゃけ
あぶりとか やってても、分かんないかもなのである。
最近
変なテンションだったりしたことないですか?
と聞かれたら、そもそも日常的におかしな者たちばかりなので、すいません、いつもと変わらないように見えました、とお詫びするしかない。
とはいえ、ま、有限会社・扉座所属俳優は、総じて、お金がないので、
そんな高い物、お試しでも、買えないだろう。
という推測が大いに成り立つのが、一番の安心ではある。
それはともかく
そんなワケで、私はつい、社長の立場を慮ってしまうのである。
自分がこんな立場になったら、どうするべきかとか。
そんなこと、
かなり真剣に考えたりして。
今回はくだんの社長の態度にも、芸能ニュース方面からはかなり厳しいツッコミが入っている。
ちゃんと管理できてないじゃないかと。
でも
38歳の、子持ちの女性ですよ。
十代のお嬢さんならいざ知らず。
芸能事務所はどこまで、見張らなきゃいけねえんだよと、つい社長擁護の立場になってしまうのだった。
この場合は、最初に のりぴー が消えた時、他ならぬ社長が大騒ぎしたのが、ケチの付き始めで
そんなこと言ったら、ヒルズでやってた 色男の所業の方が深刻な問題なのに
こちらは、事務所からは、あっさりと契約破棄 のお知らせだけで済ませたのに、それ以降特に厳しいツッコミをマスコミから受けていないのとは、
かなり対象的な印象がある。
社長目線としては、当然 後者のドライにして迅速な手際を学んでおきたいと強く思うのものである。
でもね
芸能活動 って、単に契約書一枚の中で、始末が付くほどドライなものじゃないからな。
マネージャーと俳優とかタレントって、無名からはじめて売れるまでには、どんな大物だって、波乱の課程があるわけだし。
そんな山や川を一緒に乗り越えてやってきた者としては、
無念とか、怒りとか、心配とか、たぶん生身の人間の感情が大きく吹き出してしまうところだと思うのだよねえ。
ましてや
うちは劇団ですからな。
たとえば、うちの俳優に、容疑者であれ、被害者の立場であれ、万が一にも何かことが起きた時に、
芸能会社社長として、ブレないで、社会的にしっかり処理する自信がオレにはないなあ、
とも思うのである。
だから、劇団員諸君は間違っても、そんなものに手を出したらアカンよ、ワシを困らせるな、という結論なのであるが。
んでんで ついでに言えば、
この話、私自身がいつか手を出してしまうかも、みたいな予感は これっぽちもない、というところが、我ながら脳天気ではある。
あの のりぴー でさえ、やっちゃうんだからさ。
怪しい小劇団座長なんか、イッチャンやばいんじゃねーの、と疑われても、何の不思議もないポジションだものな。
少なくとも座員よりは、予算もあるし。
世の人は、そう思うだろうよ。
でも
かなり遠い存在だな。
私にとって、薬物中毒は。
そりゃ
今後、そんな心持ちになることは絶対ないとは言えないが
とりあえずここ数日、一番気になっているのは
それ、どんなクスリよ、とか、使うとどーなっちゃうのよ、とかの興味ではなく
ひたすら
あの社長、今後どうするんだろう。
いつまで、どこまで世間に叩かれるんだろう。
また、髪の毛もとかさず出てくるのか、
なんて、ことなのでありました。
水戸黄門を見て、悪代官の所作をひたすらみつめる、みたいな
極めてマイナーで不可解な視点ではありましようが。
世の中には、こんな見方もあるのです。