バーゲンの行列

 新宿にちょっと用事があって行った。
 デパートに、ご贈答品みたいなのを買いに。

 不況のお陰で、すでにバーゲンに本息で、突入している。

 買い物オヤジとしては、当然、素通りは出来ず、ごった返す売り場に踏み入った。

 女の売り場よりも、メンズの方が混んでいたんじゃないだろうか。
 伊勢丹の話である。

 オッサン、バカ者、オヤジ、アンチャン、小僧、じじい、漢、モーホー、兄さん、チンピラ、ヤーサン、色男などなど

 あらゆる種類の男たちが、一斉にお洋服に群がっている。
 昔のことを思えば、お正月の2日から、あるはずもない信じがたき風景であった。

 ちょっと大袈裟だけど、この風景こそ新時代だと私は思う。
 血眼で、着飾る男たち。
 その上で、草食化だというのだから、男たちはいったいどこを目指しているのか。
 本来、オスの派手なパフォーマンスは、メスを得るための求愛行動だったはずなのに。
 メスには向かわない、自己完結的な、自己装飾である。

 実際、
 このメンズ売り場の盛りあがりは、格闘技に集う、男たちの様子にも似て、
 女人無用の、同志的な高まりを持っていると思う。

 とか何とか言いつつ、私も、その中に混じり、アレコレと手にとって、その高まりの中に同調しているのであるが。

 しかし
 今日は挫けた。

 今日はレジが、バーゲン用に、統一されていて、買いたい人は、品物を抱えて支払いの行列に並ばなくてはならなかった。
 ところが、この行列が
 フロアから溢れ、階段に流れ、さらに別の階へと延々と続いていたのであった。

 男、男、男、男、おかま、男、男、男、男…

 みたいな感じで。
 その男たちが、手に手に、お洋服を抱えていて。
 
 女子コーナーにも行列はあったけど
 こっちの方が、確実に長くて、迫力に満ちていた。 
 
 レジまで辿り着くのに、どんだけかかるか。

 ちょっと通りかがり的に立ち寄っただけで、それほど気合いを入れて来ていなかったので、闘う心を持っていなかった。
 
 それにま
 明日から、青山なんてとこにも通うわけだし
 バーゲンはさらに熱を帯びて、あちこちで続いて行くのであろうし
 そのうちどこかで
 今シーズンも参戦は必至であろう。

 ともあれ
 明日は、青山劇場へ。
 初仕事です。
 お買い物の前に、しっかりとエンゲキを。

 



 ちょぃ私信

 はるごん、良い感じね。
 舞台女優めざすって、カッコイイと思うよ。
 その言葉、しかと聞き届けました。

 
 
 
 
 
 

 


 


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

アーカイブ