謹賀新年
ちょっと遊びに出ていて、
大晦日と元日の境目が極めて曖昧なまま、東京に戻ると気が付けば、元日になっていたという具合でした。
行き先は今更という感じで、敢えて申し上げるのも恥ずかしい場所で。
ワイハです。
訪れる先々で、新婚旅行ですかと言われました。
わし、今年、50ですぜ。
まあ石田純一さんなどの例もあるので、可能性は否定しないが。
なんか今まで行き機会がなかったが、たまたま縁があり、ま一度ぐらいワイハの冬休みもいいだろう、いちおう芸能の世界にいる身でもあるし、
と行くことにしたのは良いけど、ハワイは本当にチケットが取れなくて、申し込んだ時には、越年ツアーなんてのはすでに満員であり、
しかも、やっと手配したツアーで行ってみると、今年は10年に一度の大雨という話で、5日のうち3日半、曇天と雨という感じでした。
これは、日頃の行いの成果でありましょうが。
それでも東京の冬で荒れ果てた私の、アレルギー肌も、たちまち鎮まっていったのは、季節のチカラでありましょうか。
それはともかくお正月です。
国際線でも正月は、お餅が出るとか聞いていたのですが、そんな気配もなく、フツーの機内食でありました。
どうも思うに、正月というのは季節の感覚などとは違って、身体で感じられるものではなく、
師走、年の瀬と来て、皆があせあせと越年の買い物に右往左往し、
そんなカウントダウン的な盛り上げ感がしばし続いたその後に、ついに来たぞ、
という感じで、やってこなくては気分があがらないもののようです。
いわゆる、芝居のクライマックスちっくなものですね。
芝居の冒頭で、いきなり殺人が起きても、誰も泣いたり笑ったりしませんよね。
やっぱりそこに至るプロセスが、しっかりしていないと、クライマックスで盛り上がれない。
正月はそういうクライマックスです。
そんなワケで、まったく正月を迎えた気分もなく、久しぶりに寝過ぎたボンヤリのアタマで、冬の東京を眺めています。
ところで再びハワイですが
いつか故・三木のり平さんが言ってた話を思い出しました。
まだ一ドル360円の固定の時代、ハワイ旅行なんて庶民が夢にも思わなかった頃に、のり平はハワイに招待されたそうな。
たぶん日系の人たちに、ふるさとの大スターとしてね。
アメリカでの映画のロケの帰りだったかな。
ともかく、ハワイの人たちは大スターを歓待して、あちこち観光とか連れて行ってくれたんだってよ。
んで、改めて新聞記者がハワイの印象をたずねた時、のり平さんはこう言った。
江ノ島にペンキ塗りたくったようなとこじゃねえか。
この発言は現地の人たちを、それは怒らせてしまい、
後に社会問題化して、三木のり平はハワイの敷居をまたげなくなったんだ、と。
もっともあそこに敷居があるなら、見せて欲しいがな、と。
当の本人がニヤニヤして、語ってくれたものだ。
確かに、今も、ワイキキのど真ん中の繁華街、ティファニーやサンローランのブテックに混じって、小倉智昭氏経営のラーメン屋があって、そこに行列が出来ている図は、
熱海とか日光とか、江ノ島とか。
限りなくニッポンの観光地的な風情ではある。
それはそれで面白いんで、何ら問題は感じないが。
ところで
三木のり平 って誰、と思った若者はさっそく検索のこと。