韓国からの続報

 数日前の 1年後の懺悔に たかシ から報告があった。
 (コメント参照のこと)

 でも、ヤツがどうやったのか、忘れている。
 というか たかシ にそんなこと出来るはずがないので、いったい何のダンスなのか、神聖なオーディションにおいていい加減極まりなく、今更ながら、呆れる。

 ところでソウルのムーニィからメールが届いた。

 韓国の新聞 東亜日報 に ハカナ の劇評が載ったのだそうな。

 http://news.donga.com/3/all/20110118/34017704/1

 ごめんね、コピペで、訪ねてみてね。
 

 掲載された舞台写真で抱き合っているのが、

 キムチ漬けの柳葉ちゃんと、柳腰の冬美さんである。
 いや正しくは、韓国の俳優

 鈴次郎:キム・ジャンドン
 儚:パク・ソンエ

 である。

 以下に、ムーニィが訳してくれた文章を載せるけど、
 私は、コレ読んで感激したね。

 だって、そもそも残念ながら、我が国で、こんなにきちんと、ハカナを論じてくれた演劇記者はいないと、私は記憶するのだよ。

 劇団でやったあと、パルコと新国立劇場と明治座で、上演された作品だけどね。

 宣伝的な記事はともかく、本格的な批評というものを不思議なほど受けてこなかったと、記憶している。
 まあ、批評に値しないということかもしれぬが、一方では、再演が重なってるのでね。

 何度も望まれて上演されることほど、作品にとって幸せなことはなく、それだけで充分で、それ以上に何かを求めることもないとは分かってるけど、

 こうして改めて、深く考えて貰うと、気持ちいい。

 今回ソウルでやられて、初めてハカナが、戯曲として何だったのか、語って貰った様な気がするんだな。
 韓国で上演されるだけで、有りがたいのに、なんと幸福なことかと思う。

 つくづく、長くやるもんだね。
 そして人の絆が、大切だね。
 ムーニィと出会ってなかったら、コレが韓国語なんかになってないしな。

 脚本は、四つ星ってことになってるけどな。たぶん五つ星が最高点なのであろうが。
 ともあれ、以下が、ムーニィに速攻で訳して貰った翻訳文。

 ちょっと急がしたから、日本語のこなれの足らぬところはあるが、じっくりやればムーニィは、私より正しく頭の良い日本語を読み書きする人です。彼の名誉のために、言っておきます。





 記事のタイトルは、

「天使も悪魔として接すると、悪魔となる」です。

台本 星4
演技 星3.5
演出 星3
舞台 星3

劇団詩月の旗揚げ公演の「ハカナ」は、
日本の古代の鬼の話をモティーフにした
作品である。

「天女幽魂」類の極東洋的なこの奇談には、
パンドラやピグマリオン、ファウストやフランケンシュタインの
ような西洋文化の骨髄まで溶け込んでおり、
深い感動をかもし出してくれる。
これぞ劇芸術の妙味かもしれない。

天下のくずの鈴次郎は、バクチ場で鬼と勝負し、
美女を得る。しかしその女は100日に立つ前に抱くと
水になってながれてしまう。

ハカナは果たしてプレゼントなのか、落とし穴なのか。

実際に、ハカナに心を許し始めてから、負けをしらなかった
鈴次郎の運はつき、転落してしまう。

結局ハカナまで売ってしまい、人生の底を這いずり回るようになるが、ハカナの最後の瞬間、
悪魔に魂を売ったファウストのように、自分の命を売って、
ハカナの命を救おうとする至純の愛を見せる。

多少濃い性的描写にもかかわらず、演劇の終わるごろ、
多くの女性観客は涙を落とす。最低のくずのような人間が
尊ぶ愛に目覚めていく姿に感動したからだろう。

数多い神話的なコードに気づいた観客は、最初はばくちに、
次は愛にすべてをかけるしかない人生のアイロニーに
ため息をつくことだろう。

しかし、この芝居の真の醍醐味は、そういうメロドラマや
神話的教訓にあるのではない。柳 美理が受賞した
日本の最高権威の戯曲賞である岸田戯曲賞を受賞した
作家横内氏は、多彩な神話を変奏しながらも、それを
神の視点ではなく、人間の視点にひっくり返して見せてくれている。

ハカナは確かに鬼が掘った落とし穴である。
ハカナへの愛欲に鈴次郎はすべてを失うが、
それはあくまでも鬼の視点である。

鈴次郎にとってハカナは最高のプレゼントである。
自分しか知らなかった鈴次郎が、「自分のもの」ではなく、
一人の人間として受け入れて、その命に責任を持つ、という
真の意味を諭されてくれた存在だからである。

他人とは、モンスターとして接すると、モンスターになって
復讐してくるが、愛で接すると、愛で答えてくれる存在だ。
人間への道とは、そのような没我一体の境地を悟ることだ。
それこそ、パンドラやピグマリオン、ファウストや
フランケンシュタインの世界の無意識構造をなす核心では
ないだろうか。

 
 
 
 
  
  



 
 


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