雪の卒業式
扉座研究所 第14期生 の卒業式。
奇しくも雪のバレンタインデーとなった。
らぶ×3 をやり終えて、一週間後の招集で、卒業証書を渡し、その後、宴会となる。
これで、研究所に残る者、それぞれの道に向かう者に分かれていくことになる。
式の挨拶でも語ったけど、
らぶ×3 は、そこらの研究所の卒公ではあり得ない、大事業、大公演で、
今回も有料でのべ千人の観客を集めている。
もちろん並大抵の努力では到達できない。
その上、どんな作品も、今ココにしかないオリジナルの手作りだ。
この公演は、俳優になるための、通過儀礼なのだと、十四年前から決めている。
かなり大変なことだけど、今や、それを体験した者が座内でも半数を超え、そのメンバーから、指導者も出ている。
今回の演出をつとめた、田島もその一人だ。
経験者がいるから、一見無謀なことの何もかもが、
余裕を持って、出来るはずだと、語られる。
そして、勘所に先輩たちの適切なサポートが入る。
ある意味理想的な
ひとつの部族内の 成人儀式の 伝承のカタチとなっている。
らぶ×3 をやり終えて
しかも今回は特に、素晴らしいと いろんな人から誉められて
再会した若者たちは、ひときわ逞しく、自信に満ちていた。
何より、こういう仕事をともにすることで、教える教えられる、先輩後輩という立場も超えて
演劇仲間になった。
小さな劇団扉座には、俳優を抱えられる限度があり、また必要とする人材の、時々の巡り合わせもあり
これで劇団を離れる者もいるが
我々は演劇界の仲間になったのだ。
先輩の誰かが言った
これからはライバルでもあるから
と言う言葉が、何よりのはなむけであろう。
卒業おめでとう。
リボンの騎士 の若者たちにも、何分の一かでいいから、そのような体験をして貰いたい。
