ありがとう!

 いやあ、あなたたち、凄い人たちだったんだね……

 七月の美浜文化ホールのこけら落とし公演に出演していた市民参加の方が、
 今日、『ドリル魂』を見てくれての、第一声である。

 正直にいって、扉座がどんなものなのかも、知らずにいたというワケだ。
 そんな状態で、六月の稽古に参加していた。
 
 で、今日の、初扉座。
 あの時に、親しくなったから、チケット買わない訳にいかないし、仕方なくやって来ました、という気配も若干漂っていたものだ。

 そしたら

 ガンちゃんや、里沙さんて、ちゃんとした俳優さんなんじゃないですか?

 って……

 まあ、わしらの正体が今やっと分かって貰えて良かった。
 
 ただ、
 
 わあ、こんなんだったら、もっと人に紹介出来ましたよ。

 って……

 頼むから紹介してよぉ。
 まだ、池袋があるからね!
 何度も念押ししたわしらであった。

 でも、あの時の仲間達が、凄く助けて下さったのは、紛れもない事実である。
 あの公演がなかったら、とてもこんなに風に盛り上がりはしなかっただろう。

 見たこともない扉座のチケットを、何枚もご家族、ご友人に売りさばいて下さった方も大勢いたんだ。

 厚木もそうだけど、
 この美浜も、そういう、極めて人間くさいお付き合いに、舞台が支えられて成立している。

 何だか、分からないけど、皆が応援しているものだから言ってやろう。

 そうやって来た人たちに、凄い!と言わせて、来て良かった、と思わせるのが、わしらの勝負なのである。

 そう言う意味では、この二日間、かなり手応えがあったと思う。
 かなり熱心なドリルマニアの人たちも、もちろん何人も集まってくれたけど、
 ベースは 千葉市民の人たちだった。
 大半は、初扉座であったと思う。

 それが、二日とも、客電全開でも、誰も帰らず、あんなに熱い拍手を送り続けて下さったのだから。
  

 これから乗り込む
 広い広いサンシャイン劇場は、まだ埋まらない。

 でも、わしは奇跡を信じている。
 
 前回はもっと厳しい闘いだった。
 それが、
 厚木から始まり、
 何か、人から人に、話が広がり、
 じわじわと形勢逆転していった。

 今回は、美浜から、それが起きると信じている。

 はっきり言って、有名人がいない座組である。
 そりゃ、このHP内では、皆、有名人だけど、
 外海の荒海の中に、漕ぎ出したらね……

 ケッコウ長く付き合ったばすの、美浜の舞台の出演者の人でさえ、この人達、いったい何してる人たちなんだ?
 というのが率直な感想だったのである。

 でも、そんなまだ、何者でもない者たちが集まって、
 全力を尽くして、
 何かをやらかし、
 別の大きな何者かに変わって行く。

 そういうことが起きてもいいじゃないか。

 今、巷の劇場には、即日完売 みたいな公演が溢れている。
 もちろん、そりゃ素晴らしいことだけど。

 メディアに並んだネームが人を呼ぶんじゃなくて、
 生の舞台が、人を呼ぶ。
 
 それも、芝居の醍醐味とはいえないか。
 
 
 わしは、ネームで人を呼ぶ芝居もさんざんやってきたからな。
 その面白さは承知している。それは幸せな祭りである。やる方にとっても、見る方にとっても。

 でも、作品が人を呼んだ。
 作品がスターを生んだ。
 伝説を作った……

 その喜びは、間違いなく至上のモノだ。

 今はその過程にいる。
 そう信じている……

  


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