例の浪人生のこと

 極悪人扱いである。

 入試問題を、ネットに載せて、解答を求めたという浪人生。
 数知れずの人を殺戮した、リビアの独裁者より、時間を長くとって、その悪をテレビが糾弾している。

 でも
 そんなに悪か。

 カンニングはするぞ、誰でも一度ぐらい。
 で
 実社会では、いかに上手くカンニングするかが、成功の秘訣みたいな局面も多々あるんだ。
 むろん、罪にならぬギリギリのラインでな。もしくは、露見せぬよう狡猾に、慎重にな。 
 
 まあ、悪には違いなかろうが、他人にはそんなに関係ないことじゃんか。
 少なくとも、わしは迷惑はしてないぞ。
 むしろ、対岸から見ていると、

 この若者、けっこうやるわい、面白いだろ、と思えてしまうのは、おかしいか。
 発想といい、その行動の大胆さといい。

 このチカラを何か別なものに向けたら、きっと大きなことが出来る気がする。
 現にこんなに、話題になってるんだから。

 ベンチャービジネスでは、必要とされる能力の持ち主ではないか。

 この可能性ある若者をここで殺しちゃイカンと思う。
 少なくとも、

 殺人犯や独裁者のように並べちゃダメだろ。
 そんで、
 母校の先生とか、友人とか、もっと庇ってやろうとしろよ、と思う。

 ま、庇う意見を述べても、それがそのまま報道される確率は極めて低いだろうけど、

 真相が今の報道の通り、彼一人の思いつきなら、

 これしきのことで、大人たちが、あまりにもいきり立って、大人げないというものだろう。
 もういいだろう、お尻叩いて、追い払え、と誰か言え。

 金目当てで、組織的に、裏口入学を手引きしたのとかとは全然違うんだから。

 大人たちは、もっと別のことで憤れよ、と思う。


 でな
 言い足らぬので付け加えると

 一流大学は、それも、天下の京大なら、たとえ問題が濡れても、何の影響もないぐらいの試験をしてくれ。
 おたくは、本当に一握りの優秀な若者をみつけ出せばいいんだろう。

 毎年同じでも、ジャッジ出来る、それぐらいの優れた問題を出すべきだし、
 そのジャッジが出来る先生を置いておくべきだ。

 サンデル先生の講義なんか、正解なんかなしじゃんか。
 しかも何百年も人間が考え続けてきたことを、語り合っている。
 設問は古き過去にあり、答えは未来にある。

 大学の勉強って、そういうもののはずだろう。

 そこらの専門学校的大学にそんなこと望まないぞ。

 だって京大なんだから。



 
 
 
 
 
 
 

 


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