政治の話
今、三十周年の記念ブツを製作しているのであるが
その時に、この日記が細かな活動記録として、またその時の気分を振り返るのに、とても都合が良いことを発見したのである。
なので、こんなこと書いてどうかなと思うことも敢えて書き記す。
極めて個人的な考えだから、あしからず。
実は今年の都知事選では、人生で初めて 共産党候補に票を入れた。
若い日からずっと共産主義に懐疑的で、ここに入れることは一生なかろうと思っていたのだが、こんかいの原発のことで、
やはり一回、今までの世の中のあり方を、いろいろ見直した方が良いと思ったのだ。
週刊金曜日の記事を軽んじていた反省は、以前ここに書いた。
ちなみに、あそこで書評など担当している時、うちのオヤジは右翼のオッサンで、サピオなどの愛読者なので
お前ついに赤くなったのか、勘当するぞと脅された。
勘当も何もすでに不惑の歳であったが。
でも、実際はことさらノンポリを貫く覚悟で、右も左も等距離で眺めたいと思っていた。雑誌でも折々に、そう告白して書いていたし。
とはいえ、世の中は動いているので
ずっと真ん中はあり得なくて、時に、振り子は左右に振れるのである。
今回は少し左に降ってみたのだ。
でも結果はご存じの通り。
ワタシがちょっと転向したぐらいで、世の中は何も変わらないのである。
それを思い知って、地方選の区議選では、文化のことを語っている、その一点だけで票を入れた。
しかし、そういう候補はモノの見事に少なくて、そりゃ票にならぬのは分かるけど、文京区なんだからさ。
こんな時にも、誰か少しは文化を語れよ。
震災で壊れたのは、街だけじゃなく、人の心も深く傷ついたのだよ。
やがてその復興も必要になるだろう。
それはともかく
結果、何も変わらないんだけどね
今までのこと、ちょっと反省はすべきじゃないか。と強く思うのである。
自由民主党は、やっきになって、菅直人を攻撃してる。
確かに、大いに頼りないけど
その前に彼らは、もっと謙虚になって、国民に対して真摯に申し上げることがあるんじゃないかと思うのだよ。
だって、民主党が政権とって何年よ。
その前に、ずーっと自民党が天下とってて、世の中の仕組みを作っていたんじゃないのかね。
今の世の中の仕組みは誰が組み立てたのさ。
原発だって、そもそも誰が作り始めたのよ。
我々は世界で唯一の被爆国だよ。
原子力の恐ろしさは、誰よりも知ってるはずなんだよ。
反対運動も今までたくさんあったけど、それを弾圧してきたのは、いったい誰なのよ。
想定外の大震災だったのは分かった。
でも、安全だと宣伝し続けていた人たちはいるんだ。
万が一にも、何か有っちゃいけないのが原発だったんだからね。
それでもダイジョウブと。
その責任はどこかにあるはずだろう。
なのに、そんな過去のことをまったく棚上げして、災害への対応がなっていないと今の政権を、いくら攻撃してみても、うすら寒く感じるのはワタシだけか。
亡くなった井上ひさしさんが、ずーっと言い続けていたのは、責任という問題だったと思う。
第二次世界大戦において日本軍がやったことの責任は、誰にあるのか。
その責任者が本当に、罰を受けたのか。気持ちだけでなく、カタチとしてけじめを付けたのか。
日本人は時に、主語を隠して話を進める。
そのために、責任があやふやになる。
それは井上先生の晩年の作品に書かれたテーマだった。
誰が謝るのか、誰が反省するのか。
はっきりしなきゃいけないことはたくさんあるはずだ。
次のステップに向かう前に、きっちりとやって欲しい。
と同時に、自分にも戒めを。
主語を消してはイカン。
ワタシはそう思います。