初日の朝
早いもので初日。
今回も時間に追われるし、課題は多いし、雑事もあるし、台本創りをしている時は、失踪したくなったものよ。
で
この舞台がもし無事に開いたら、オレ泣いちゃうな、うん、泣いていいよ、泣こう。
とか思いつつ、やってた。
そして今日を迎えたんだけど、さあ、泣くかな。
稽古に入ってからは、かなり楽しくなってたからな。日々、驚きと感動の連続で。
立ち上げの辛さも、ちょっと忘れた。
泣くとしたら、終わる時かも。
それはそれで幸せだな。
ま、こないだの厚木の子供たちのようには泣けないけどな。30年もこんなこと続けてるんだもの。
それでもその歴史の中で、忘れられない舞台になった。今の時点ですでに。
パンフにそれぞれのインタビューが出てるんだけど、改めて、ここに至るキャリアや経緯を思うと、
不思議なご縁で繋がっていて、ここに集まっている。
それも、かなり非凡な人たちが。
しかも繋がりの正体が、お金じゃない。
今の時代、これだけで凄いことだよ。
もちろん、プロだから、ギャラは出すんだけどな。それがゼロなら、わしゃ本当に助かるが。
と言っても、我が扉座に可能な範囲ですからね、推して知るべし。単にビジネスと思ったら、付き合っちゃいられんだろう。
稽古は長いし、大変だし。
では
何がこれだけの人たちをつなげているのか。
その証しをご覧入れることが、今日からの大事な仕事であろう。
お芝居が終わった時に、皆さんの胸に、我々の信じて育んできたものが、届いているように。
それはたとえばお金みたいな、当たり前の価値とは少し違うモノの価値だ。
ぜったい無理と思ってた、通し。ま、いけるとこまで、とかいいつつ、昨日の夜、強引に始めてみたら、するすると終わりまでいってしまった。
スタッフ力のお陰。いきなり、せーので始めても、ほぼ出来ちゃう。
一流の人たちだからな。贅沢で、幸せなカンパニーです。
もっとも、まだ細部調整は出来てないから、今日のお昼にもう一回、通して、本番を迎える。
改めて、円形劇場に入ってみると
しみじみと不思議な空間です。
役者が頻繁に方向を見失って、迷子になります。
出はけ も間違うし。
もっとも間違っても、たいせいに影響はなかったりするんだけど。
そして何よりも、客席が近い。どこに座っても、きっと俳優が間近に感じられるはず。
三百人入る空間としては、あり得ない近さです。
特に、今回の出演者、みな大きいから、ぐっと迫ってくる感じ。
そんな臨場感が、良い方向に向かってくれれば、円形ならではのスペシャルな公演だったと言えるようになる。
今回のテーマ、スペシャルです。
ちなみに、パンフも作りました。特別撮影した写真も載ってます。
またまた扉座手帖も販売します。
この舞台にはカッパは出てこないけど、カッパも売ります。