女たち

 昨夜、たまたまテレビを点けたら、NHKで石岡瑛子さんのドキュメントをやっていて、
 そのまま見入ってしまった。
 つい最近まで、ブロードウェイで、衣裳デザインなんかしていた、世界的デザイナー。
 70を超えた頃の活動が描かれていたが、驚くべき胆力、創造性と、表現することへの高い意識。

 その一方で、今月号のPENでは、コム・デ・ギャルソンの川久保玲さんのことが特集されていて
 こちらの会社の売り上げには、今までずいぶん貢献させて頂いてきたけど、
 更に、また欲しくなった。今年はセールはかなり、穏当にやり過ごせたのに……(もちろんちょっとは参加した。これはもう夏冬の習慣に近い行為となっていて、ある程度は仕方ないのだ、と諦めている)
 
 で、危険な香りのお買い物熱が、ぐっと高まった。

 蜷川幸雄さんと初めて仕事した時だったと思う。はるか二十数年前のことだ。

 それまで、このブランドは、自分には難しく感じていて、何となく敬遠していたのだが、
 
 打ち合わせの途中、その舞台の音楽監督だった宇崎竜童氏と、巨匠が、なんか熱く、ギャルソンの情報交換をし始めたのを、加わる術もなくひとしきり聞いていて、
 
 なんとしても買わなくては、と思ってしまった。

 でこっそりと青山に買いに行くと、その時、そこに坂本龍一がいて、誰かと不思議なシャツを大人買いしてて

 これは、すごいところだと震えたのを覚えている。
 

 以来、幾度も失敗を繰り返しつつ、毎年、必ず勉強をさせて頂いている。
 今度、巨匠たちが、語り合う現場に居合わせた時には、何か語ってやろうと、野望を秘めて。
 
 しかしこの雑誌で見ると、この世界は更に奥深く、その日はまだ遠いと思い知る。
 おそるべし、川久保帝國。
 
 そして、ちょっと自分の仕事を振り返れば
 今、取り組んでいるのが

 幕末の女医、楠本イネ、そして、とある女性作詞家のドラマ。

 さらにまた、目下、最も烈しく進行中の、扉座研究所卒業公演『ラブ×3』では
 扉座初の女性演出家・田島幸 が、多くの男性スタッフを率いて、舞台を創り上げている。

 今どき
 男だ、女だと、こだわるのはナンセンスだけど
 
 ナデシコのみならず、我が国の女性は、つくづくすごい。
 これからは女性崇拝者として生きてもいいと思った、2月のはじめ。


   


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