絆を思ったこと
黒崎に行ってきた。
たぶん10年以上ぶりの、扉座・九州公演。
北九州市だけど、八幡西区という、少し郊外の街。
かつて製鉄で隆盛を極めた街だけど、今はそれらの産業が冷え込んで、かなり疲弊している。
そこに真新しい劇場が建った。
そこでの公演が間もなく。
でも新しくて、まだ浸透していない劇場。
その中ホールで3回もやるんだけど、ここからうんと宣伝しなきゃならん。
またしても、何もない場所での、お客さん作りからのスタートである。
でも
昨日、ワークシュップの会場に懐かしい人たちが訪ねて来てくれた。
2004年に福岡でやった
国民文化祭のオープニングイベント『人生号』に市民出演者として参加してくれた、吉田格クンと七緒リカちゃんと。
懐かしき、飛梅組のメンバーである。
吉田クンは今、博多で、タレント事務所を経営する人になっていて
リカさんは、地元の劇団の制作などをしている。
ふたりとも、この扉座黒崎公演を応援するために、奔走してくれている。
もう八年の前のこと。
私らは、博多と北九州に約ふた月、住み込んで、マリンメッセでの開会式イベントと、
閉会式に先立って、北九州芸術劇場で上演された、泊篤志さん作の記念市民劇を地元の出演者たちとともに稽古して作
った。
未だに、私らの記憶に鮮明に残っている、興奮と感動の日々。
扉座31年の歴史に残る、大事業であった。
そこに参加してくれた、ふたりが、時を経て、今、我々に力を貸してくれているのだ。
その時の関係者や、メンバーたちに、一所懸命声掛けもしてくれている。
今まで、いろんなところで、いろんなことをやってきた。
いろんな人に出会い、芝居を一緒に創ったり、手伝って貰ったり、見て貰ったり、
でもそれが過ぎると、また常に新しい仕事がやってきて、それに夢中になって取り組んで
どんどん過去を忘れていき、でも、それで良いとも思っているのだけど、
こんなふうに、再会しあう喜びを何と言えばよいのか。
そして、こんな素晴らしい協力に何と感謝すれば良いのか。
31年もの活動の中で、たった二月の共同作業である。
でもそこで結ばれた絆が、いかに尊く、温かいモノか。
エンゲキは出来上がった端から消えていく。
でも、そこに永遠がきっとある。
そう信じて我々は、この時に虚しくも思う仕事に、血道をあげているのだが
神様はたまに、その信仰の手応えをくれるんだ。
黒崎の公演も、大切に臨みます。
そして
あの時、一緒にいた九州の仲間たち、もしこれを読んでたら、ぜひ誘い合わせて、劇場に来てくれたまえ。
黒崎での活動は、これからも続けていくつもりだ。
新しい何かが始められるかもしれない。
明日から、座・高円寺後半戦。
当日券もご用意してます。
ふらりと来てみて下さい。
