東奔西走
月曜日は、休演。
そんななか、私は博多に行く。
浄瑠璃を録音してくる。
私が浄瑠璃と言えば、我らがお師匠さん、葵太夫。
松山の『げんない』に創作浄瑠璃を一部使うのである。
平賀源内という人は、エレキテルが有名で、科学者的に思われがちだが
実は浄瑠璃作者としても、超一級で今も、上演されている名作も書き残しているのである。
そんな源内の話を、私が作るのに、
今まで特に浄瑠璃に関係のない、手塚治虫のマンガ『どろろ』を浄瑠璃仕立てにしておきながら
こっちはスルーじゃおかしいだろうと、ま
誰に言われたわけでもないけど、自分でそう考えて、こだわって
ミュージカルなのに、なぜか浄瑠璃も聞こえてくることにしたのである。
葵太夫に相談したら、快諾して下さって、めでたく実現の予定。
お忙しいのに、嬉しいです。
葵さん以外、頼む気がしないからね。そのうち人間国宝になるだろう人で、極めて贅沢なんだけど
おしさんは、我らの芝居にも理解を持っていて下さって、やりたいことの本質をズバっと掴んで、さまざま工夫して下るのが、心強いんだ。
ただ、お師匠さん、ずっと地方の劇場に出演中で、今月は博多座 の歌舞伎にご出演中。
私の予定とすりあわせたら、ここしかないということになり、明日、博多での録音となったのであった。
その作業は、かつて福岡でやった国文祭のオープニングイベントに『飛梅組』として参加していて
今は博多で、芸能事務所を手広くやっている吉田格クン。
なんと博多で、目下、自社の若い俳優さんたちを使い
『ドリル魂』を定期上演してくれてもいるのである。
喜んでお手伝いさせて頂きます、なんて言ってくれて、いろんな手配を進めてくれている。
いろんなご縁がここでもつながり、助けられている。
実は今日は、アトムの大千秋楽もあったのだが、ずっと前から約束してた大事な用事があって、厚木にいた。
東に西に、ずっと駆けづり回っている。
でも、行く場所にかならず、誰かが待ち受けて、力を貸してくれる。
絆は何よりの宝だね、としみじみ思う。