さらば ゾクたち あとは頼んだ
『浪花阿呆鴉』が開幕した。
この舞台ダイジョウブか、と観客から、疑われている、心配されている気配満々のなか、初日の幕が開き、でもいきなり改造ママチャリだし、カタカナ満載だし
マジとか、ヤンキーとか。いつの世の、何語よ。
半ば呆れられつつ、ご年配層からは、やかましい舞台やのうと呟かれつつ
それでも、阿呆たちが一気に走り去り、飛び去ったあとに
温かく大きな 拍手を頂きました。
たくさんの方に立ち上がって頂けて。
ロビーでは見知らぬ方々から、慰労のお声がけも頂きました。
こちらがご観劇くださりありがとうなのに、
とても良い舞台です、ありがとう、って。
劇中に似たセリフがあるんですが、これは舞台人にとって何よりの勲章です。
おおきに、おおきに。
たくさんの暴力と殺人にあふれた舞台です。
何しろ、光速の殺陣が大きなうりなので、
扉座版・天下茶屋の物語のように、斬られ役は何度も死にます。
映像作なら、血糊が雨のように降り注ぐシーンの連続。
でも、これは舞台だから
我が師・三代猿之助がよく言っていたように
凄惨な殺人シーンで拍手が起こる。
観客の心が浄化されていく。
本番になってことさら輝きを増す、太一クンの刀の光を見ていて
彼の殺陣はもはや、神事だと思いました。
相撲のように、
みそぎ、祓い、地霊を慰める。
太一クンの刀は、玉串だ。
みなで深く、頭を垂れて、邪気を祓って頂こうよ、としみじみ思った。
そしてこの舞台は一般的にはかなり無名な役者たちが大事な役を担っています。
月乃助、上杉祥三、藤村薫 らを良き手本としつつ、稽古場から演技、殺陣、ダンスなど、たくさんの課題と必死に取り組んできた新鋭たち。
この中にも、やがて大きな舞台を支える役者、女優となる可能性が見えました。
それが誰かは、ま、お客さんの目で発見し確かめて頂くとして
ここから、また何かが生まれることを望んで止みません。
特に若い人たちには、終わったときに、スターになっていて欲しい、まだ広く知られてないチカラある若者たちがいるのです。
あとはひたすら、ちまたに残るだろうと、疑いと不安が、マスコミ、口コミで払拭され、劇場に人が溢れるのを待つばかり。
手応えはあるけど、上演期間がそんなに長くないからな。
観てくれて、良いなと思ってくれた皆さん、ぜひ呟いたり、いいねと紹介して下され。
舞台は最後まで、爆走します。
そのご声援を決して裏切りません。
そして私は、後ろ髪ひかれつつ東京に。
2013年・横内試練の7番勝負。
いよいよラストの闘い
扉座公演『バイトショウ』に本格的に取りかかります。
音楽監督にわざわざ大阪まで来て貰って、ラッキィ池田・彩木えり先生、美術の金井勇一郎氏を交え打ち合わせも進めています。
ここまでは常に、先の何かの仕事を同時に抱えつつ走ってきたけど
ついに、これだけに集中する日々がやってきた。
この上は全勝、スイープを狙います。
がんばれ、オレ。
応援よろしく。