お下品 名刺
ラブラブラブ稽古佳境の昨今。錦糸町の寒い稽古場とか、美浜文化会館の『千葉ソウル』レッスンなどに時折通いつつ、
扉座事務所に、名刺を作らせた。
ずっと名刺はあったけど、ほとんど使わない。顔が名刺とはいわないけど、芝居のチラシ配ってる方が手っ取り早い。
しかし最近、公演以外の仕事が増えていて、まあ仕事というか、私の認識では雑用とか奉仕とか、そういう類のものだけど。
演劇界以外の人にお会いする機会が重なるのである。
地方自治体の人とか、まったく異業種の方々とか。
しかもそういう人に、何かのご協力などお願いしたりしなきゃイカンことも多い。
その時、イチイチ経歴とか語るのも手間掛かりだし、
いっそ今お引き受けしている、役職とか全部名刺に載っけてみようということになった。
社会的に、認識されている自治体とか団体の役職である。肩書きが手っ取り早いんだ、大人の世界の挨拶には。
でとりあえず、一通り名刺裏に掲載したわけだが
これがなんちゅーか、下品極まりない感じで、グッと来るぜ。
8個載ってるよ。
(一社)日本劇作家協会理事
(公社)日本劇団協議会常務理事
(公財)厚木市文化振興財団芸術監督
あつぎ文化芸術特別大使
(公財)厚木市文化振興財団評議委員
神奈川県マグカル・テーブルメンバー
北九州市特命大使
愛媛県東温市観光大使
我ながら驚いた。
これは、どう見てもインチキなオヤジだよな。よからぬ事を企んでなきゃ、こんなことにはならんだろうという気配を、私ならソツコー感じるぞ。
なんの仕事をする役目か、自分でも不明の役職もあるし。
わしは北九州から、どんな事件の捜査を依頼されたんだろう。(※PRの特命です。数年前小倉のヒーロー・イナゴライダーらとともに就任した、たしかライダーたちは解散したよな)
もしくは参議院でも立つ気かね。
地方都市にこの手のタイプの名刺を配る、オッサン多くて、たいてい市会議員だったりすんだよな……
○○地区ゲートボール振興会会長とか、ピンポイントの肩書きがあって。
ただな、
全部、嘘じゃねーんだぜ。
イチイチ委嘱状みたいのもあって、いろんな会合とかも真面目にある。
そりゃ一回出て10万ぐらい貰えるなら、すべて月一で開催して頂いてケッコウだが
そんなうまい話はなく、それぞれにギャラより高い交通費的なことが頻発している。
どうしても外せない厚木の用事を失念してて、愛媛での滞在稽古中、急遽日帰り往復を自腹で敢行したりしたら、足どころか内臓まで出たぜ。正味二時間の用事のため、往復6時間かかり、クタクタになったしな。
少し断れば良いって話だけど、
ぜひ君にやって貰いたいとか、あなたがいなきゃ、とか言われると、つい
そうか分かったと、実はほとんど備わってない男気を、あるように見せてしまうのが悪いクセだ。
空男気。
こんなだから、火急の芝居書きもメイン演出もない今の時期は、少しは楽なはずなのに、毎日、なんやかやと予定が入り、東奔西走することになる。
この名刺、年明けから、お会いする方々にお渡しさせて頂いております。貰った人は記念品としてご笑納下さい。
にしても
変なこと出来ないよねえ。こんなたいそーなお役目アレコレ背負ってて。
としみじみ思うオレであった。
愛媛県東温市観光大使が、同市内の松山刑務所収監とか、面白すぎる。