若者に託すキモチ

 ラブラブラブ17も佳境。今日と明日で終わる。
 
 昨夜、茅野イサムが来ていて、しみじみともう17回だよと語り合った。研究所は17年前、彼がやろうと言い始めた。
 彼は当時、俳優兼、扉座番頭みたいな立場だった。
 
 手探りで始め、ラブラブラブという形式を徐々にカタチ作っていって、それぞれに傑作や駄作が生まれ、試行錯誤の実験が繰り返されて……
 17回。

 変わらぬのは、汗だくで涙まみれで、満身創痍の、若者たち。
 結成で、解散という、エンゲキ的な、あまりに演劇的な一期一会の時にきらめいて見せる。

 友人の業界人が、素人で金とっていいのは、この舞台だけですよ、と言ってくれた。
 有る意味、最高の誉め言葉じゃないか。

 そう、プロへの旅立ちへの、はなむけだ。

 折しも、今夜は、水下きよし の通夜がある。私は通夜に行くが、若者は更に熱く舞台に命を燃やすのである。
 その帰去来。
 交差点の中に立つ、私たちの人生。

 そして思うのは、

 もう一度若者たちに期待してみようということ。

 我々のチカラには限りがある。未来に何かを託すことが出来るのは、若者たちだ。
 未熟で、生意気で、無知で……

 かつてそうだった自分のことは棚に上げて、ダメ出しを我らはするわけだが
 彼らに託すモノがない人生もまた、
 不幸であるなあと思う。

 ま、この日記、そんなに若者は読んでないと思うけど、
 オレが、君たちに期待してたよと伝えて欲しい。

 そして、その言葉通り実践することもある。

 次の扉座公演は、いよいよ紀伊國屋ホールでの『つか版・忠臣蔵』であるが
 そこには、

 若者たちを、どーんと使う。

 この17期で残る者、間もなく始まる入所試験を経て、
 次に入る、新しい研究生の中からも、ガッツのあるヤツを選んで、いきなり紀伊國屋ホールに立たせてしまう。
 ガッツのあるヤツな。

 何しろこっちは、死んでいくモノの魂も、若者に託そうと決めているんだ。
 熱い魂の持ち主にしか、託したくないじゃないか。

 そういう若者を知っていたら、扉座に行けと伝えて下さい。

 18期の募集も始めています。

 私は、若者に期待するゾ。

 
 

 

 
 
 

 


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