泣いた 少しずれて

 いとしの儚 初日泣く気まんまんだったけど、終わってみると極めて冷静に、お疲れ様でしたという状態だった。
 辿り着いて、ホッとした感はかなりあったけどな。
 まあ、そんなものだ。
 
 公演の離陸は気を使うんで、感傷に浸っている場合ではない。
 いろいろ脳が働いていたのだと思う。
 感情の海に流されることはなかった。

 これはワンピースの時も同じ。
 ただただホッと安堵するばかり。
 
 その代わりというか、今日、演舞場で ワンピース を見てて、特にクライマックスでもないシーンで涙があふれて来た。
 時間差というか日にち差で、涙が来ました。

 二幕の途中ぐらいかな。
 何かスゴイ、舞台と客席の一体感みたいのが漲ってきて、芝居が不思議なパワーを帯びたような刹那があった。
 熱い何かが、どっと襲い掛かってきて、
 その瞬間、ジワーと涙が溢れて来て、ツツーと流れ落ちた。
 
 二階の端の、補助席だったのだけどね……
 ホント、泣くような場面じゃないんだけどな。

 んで
 今日、最も驚いたのは二幕目の終わりのところ。
 宙乗りシーン。
 一階の観客が、総立ちになって手拍子を送ってくれていた。
 ここで泣いたわけではないけど、
 ここもかなりグッと胸に来た。

 稽古に入る前から、打合せで
 ここんとこはライブみたいにしたい。
 お客さんがスタンディングになるような。
 と猿之助さんは、言っていたものよ。
 それはいいね、と私も言ってはいたものの、内心、そうは言っても難しいだろうなと思っていた。

 HKT48公演みたいな、アイドルの舞台ならいざ知らず。
 漫画と歌舞伎という、かなりかけ離れたジャンルのマリアージュだ。
 そもそも一体感が生みにくいはずの公演。

 カーテンコールならともかく、また途中の2幕で、総立ちの盛り上がりを創るのは大変だし、そこそこ盛り上がったところで、欧米人でもない観客が立ってくれるなんて、想像がつかなかった。

 マンマ・ミーアは、客席総立ちが売りだったけど、それだって、海の向こうでそうでしたよ、スタンディングが楽しいですよ、と前宣伝がしっかりされていて、
 しかもシーン的には、ほぼラストのカーテンコールのようなところだ。

 それが今日は、見事に2幕の終わりで実現されていた。
 1週間ほど前に見た時は、そんなことは起きてなかったのに……

 マンマ・ミーアだぜ。

 まだ東京公演の半ばをやっと超えたところで、この盛り上がり。
 この先、どうなるんだろうと、
 心配ではないが
 とてもドキドキしてきた。
 のちに語り草となる公演になりそうな……

 そんな演舞場を見届けて
 さて

 明日からはまた、座高円寺で、
 いとしの儚
 こちらの公演、チケットは売り切れという情報が一度出ても
 何やかや、当日キャンセルなんかが出て
 結果、お入りいただけることも多いです。
 とにかく、当日でも劇場に電話でもしてみて下され。

 私は基本、劇団公演の方に張り付いております。

  
 
   

   
 





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