WE ARE BACK !

WE WILL BE BACK!
と言って劇団が自粛モードに入って、かれこれ半年。

ついに劇団活動をする時がやって来た。

WE ARE BACK! の時。

と言っても、手放しで喜べるわけでも、油断できる状況でもなく、
来る時が来てしまった感は否めない。

でもね、自粛中にいろいろ述べた通り、ここで劇団力を見せなくてはならぬ。

演目は『リボンの騎士 ー県立鷲尾高校演劇部奮闘記ー』

劇団に拘らず、有望な若手をオーデションで集めて、若々しい舞台を作る。
しかもそれを3年ぐらい続けてみよう、という企画だった。
実際に2年続けて来て
いよいよ、すみだパークの新劇場 すみだパークシアター 開場となる今年
総決算の3回目をやる予定でいた。

んが
このコロナ禍、オーデションの人集めなんか、やってる場合じゃない。
若い人たちを何人も、稽古場に、劇場にお預かり出るか、こんな時に!

では中止にするか、とも思ったが、
念の為に、劇団員に『やってみる?』と尋ねてみたら、この期間に予定が被っていない全員が、是非やりたいと名乗り出てくれた。

客席数の制限は付くし、劇団財政も逼迫する中、交通費も出せるかどうか、かなりヤバイよ、と念押ししたのに。

しかも実はオジサン、オバサンの役なんかないんだけどね、この作品は。

でも、今、世界の若者で出来ないことを、劇団の老いも若きも総出でやる。
これは一つのファンタジーじゃないかと思えた。

それぐらい気持ち良く、名乗り出てくれた。

やってる場合じゃないことも、劇団なら、やってる場合に替えられるかもしれぬ。

もちろん感染予防は力を尽くして。
と言っても、こればっかりは、運任せなところがあるよな。

出たいと言ってくれた団員全員に、やって貰う為に、出演者は多い。
色々考えて、2班に分けたが、それでも多い。
小劇場に真実、適正なのは、登場人物4、5人までだろうよ。
それだって適正なんて言葉は使えないよ、たぶん。

稽古も細かく分断して、限られた人数しか稽古場に入れない予定。
それでも、
そんなに人間がいて、ここからひと月、いろんな場所で誰一人感染しないなんてことが、可能なんだろうか。
考えれば考えるほど、心臓がパコついてくる。

やらないのが一番安全。それは分かってる。

しかし、やらなきゃイカン事情もいろいろある。
やる意味は……これから、この公演でその証を立てる。

ただ一つ言えること、これはもう興行じゃない。
何か、信仰というものに似た、不惜身命の活動である。

だって危険ばかり多くて、やり遂げたところで誰が儲かるわけでもなし、

何でこんなことに手を染めているのか我々は……
すりゃ信仰なんてものとも違うか。

変な女に、男に、ハマってしまった、宿命かね。
破滅しそうな、このヒリヒリ感が堪らんのかもな。

世の中に、そういう勝手にヒリヒリしてる愚か者たちを見る楽しみがあるだろうか。

まあ、誰一人劇場に来なくても、このプランを敢行しようとしてる訳だからな、我々は。

得体の知れない扉を開けるんだ、我々は。

頼りはただ一つ。

どうする?と聞いた時、
間髪入れずにやる!と言ってくれた仲間たちの声。

これは劇団てものの正体を我々が確かめる活動なのかもな。

あ、今回一人だけ、劇団外部の人が出演します。
掛札拓郎さんという、その筋ではかなり知られたダンサーでありパフォーマー。
ずっと芝居に出たいとメッセージしてくれてて、去年のうちに、今回の出演の約束を私としてた。

今回コロナのことがあって、どうする?と尋ねた。

彼もまた、迷いもなく、やらせてくださいと、言ってくれた。

コロナよ、その声を聴け、と言いたい。
心して聞けと言いたい。

ついに……我々が闘う時が来る……

ま、石に噛り付いてもハッピーエンドにしてみせるけどね。

10月10日~18日。
新劇場 すみだパークシアター。
そのこけら落とし公演となります。








































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