11度目のラブ×3

 新馬場、六行会ホールにて、初日が開く。
 前日、バタバタでゲネがなくなった。

 なので、私は、初日が本当の初日の観劇に。

 でもまあ、心配はしてなかった。
 何しろ、鉄壁の監督・コーチ陣である。

 茅野がいて、有馬もいて、田中もいて、犬飼もいて、里沙もいて、トシノリとかガンまでもが裏方に付いている。さらに若手は総動員だ。

 何と豪華なスタッフであることか。
 んで、これだけの人々が支えつつ、励ましつつ、本気で叱りとばしつつ、見守っている。
 細かいところまでアドバイスして。

 私なんぞ、見終わって何かダメ出ししようと思っても、順番が回ってこないぐらいである。
 なので、里沙に伝言し、伝えて貰う。

 年齢制限撤廃初年度となった今年の公演である。
 そのせいもあって、とても落ち着きのある舞台になっていた。
 そしてコンバクトにまとまっている。
 おおよそ2時間。
 いつもは、2時間30分以上はやっている。
 それも休憩なしで。
 やる方も大変だけど、見る方もクタクタである。

 でも今回は、いろんな面でとても見やすい。

 ただ、それが魅力となるかというと、それはまた別の話だろう。
 まあ、昨日は初日だから、ここから盛り上げていけばいいんだけど、
 神聖なる一回きりの、旗揚げにして解散公演。
 その思いが熱く込められた、勝負をして欲しいと願う。

 この公演はこの中から来年度に誰を残すか、というオーディションでもある。
 
 まだ誰を残すか、決めてはいない。相談もしていない。
 無事千秋楽を迎えた後、講師達を集めて協議する予定になっている。

 終演後、座員達と、演舞場の本番の後、わざわざ見に来てくれた井之上隆之さんも交え、近くの居酒屋?みたいなとこで、宴会を。

 この店、信じられないほど、グラスが汚れていた。
 崇志いわく、アメリカですから。

 新馬場はアメリカか?

 てか見たのか?アメリカグラス。
 でも本当に、アリゾナのハイウエイ沿いの潰れかけたドライブイン、で、出てきた砂埃だらけのグラス、みたいな感じであった。

 汚れてるよ、と文句を言ったら、
 テメエで拭きな、とナプキン投げつけられるみたいな。

 先乗りで、乾杯を始めていた、私を含む数人は、ひたすら不気味がっていた。これで餃子なんか出てきたら、ますますヤバイ展開ではないか。

 んが、劇場の片づけを終えたメンバー達が、集まってきて本格的な飲みが始まると、もう誰もそんなこと気にしなくなっていた。
 
 この素晴らしき順応性!
 扉座は、どこでもやれる。

 

 
 
 


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