ミキティとか、六角とか、オーディションとか
『HAKANA』の稽古場へ。
稽古を見に行く。
新・鈴次郎と儚、初々しく誠実でよい。
前回のパルコ版が、ハムレットなら、今回はロミジュリ、と杉田監督が言っていたのだけど、
その感じがよく分かる。
ロミジュリは、周りの大人達が、達者でなくては面白くならない。
その点、今回の集まりは、周囲に海千山千の猛者達が配置されている。
周りがしっかり、若い二人を支えて欲しいと切に願う。
あとミキティは、轟組の先生でもある、上野まりこ先生(元々モー娘系の先生であられたのです)の、ボイストレーニングを思い出して、
大事な台詞を、さらに大きく響かせてくれたら、もっと良くなると思ったな。
まあ、初舞台で、明治座で、儚というのは、本当に大変なことで、
もはやギリギリだろうとは思うけど、可能性が見えるからこそ、見ているこちらも欲が出る。
ミキティの持つ、無邪気な明るさと、嫌味のない、透明な存在感。これは汚れない赤子の魂を持って生まれる、
儚そのもので、
そう言う意味で、彼女の佇まいそのものに、泣けると思う。これで台詞の響きが少しでも加われば、本当に素晴らしいんだ。
新鋭の大口君が、今時のイケメンらしからぬ骨太で、男をしつかりと表現してくれているので、さらに期待が膨らむ。
とそんな稽古場に、六角から電話が入る。
暇なら、飯でも食わぬかと。
とくに暇じゃないけど、前からそのうちな、という約束があったので、
稽古後に新宿で落ち合い、アレコレと。
飲んだりするうちに楽しくなって、更に行きたいところであったが、
明日土曜日は、
厚木で『リバーソング』のオーディションがあるので、またねと行って帰宅。
ちなみに、ぜーんぶ、奢って貰った!
長い劇団史で、たぶん初めてのことである。
オーディションの参加者がラストの方で一気に膨らみ、何と三百人オーバー!
福岡の国文祭より多い応募であった。
これは我々が今まで厚木で張り付いてやってきたことの成果だと思う。
だから嬉しい悲鳴。
さすがに三百人全員は無理だからな……
でもその熱い思いは、しかと受け止め、
大変だけど、しっかりと三百数十人と出会って来ようと思っている。