韓国伝統音楽・正歌とサウンド・ホライズン
13日の朝、書き込んでいます。
これから劇場に行って、リハーサルやって、釜山の初日です。
大学の中の200席ほどの小劇場なんですけど、講堂ではなく、専門スタッフもいる立派な劇場です。
我々が公演する今日と明日、チケットが売り切れたそうです。
昨日ムーニイが嬉しそうに報告してくれました。
しかし、
ついこないだまで、人の気配が極めて薄い環境にいたので、何だかピンと来ません。
そもそも、この釜山の方は、ほったらかしていたわけではないけど、今回はまず仁川ありきで進んでいたので、ほぼすべてお任せ状態だったのです。
そのお任せで、こんなに盛り上げてくれているのだから、有り難い限りです。
ボランティアも通訳・アテンダントの香蘭(ランちゃん)をはじめ、皆、明るく親切です。
このご恩に報いるためにも、しっかりやらねば。
さて、今日はもうひとつご紹介したいものがあります。
今回、劇中で使っている『正歌』というものです。
これについては、我々も不勉強で、最初の頃にかなり誤解していました。
『パンソリ』の原型みたいな芸能ではないか、なんて。
全く違う物でした。
先日、本物の『パンソリ』を鑑賞したのですが、確かに別物でありました。
パンソリは、浄瑠璃とか浪花節みたいな語り物で、しかも客席から掛け声がかかったりして、盛り上がる大衆芸能ですが、
正歌はあくまでも 歌で。
しかも宮廷で歌われる、雅なものなのでした。
今は、韓国人でさえ、まともに聴いたことがない人の方が多いという珍しいものでもあります。
今回は、縁あって、そういう珍しいモノをご披露しているのです。そして黄淑京さんはこの分野の若手の第一人者です。
もともとは王様の前に座して、微動だにせず歌うものなのだそうです。
それが、今回は立ったまま、しかも歩いて、自分を照らす照明器具(ロウソク)も手持ちです。
しかもしかも、
なんと、ラブシーンにも、使わせて頂いています。
王様に献上する歌を。
物知らぬ、異人が考えたこととはいえ、ずいぶん無茶なお願いをしたものです。
ファン先生は趣旨を深く理解して下さり、気持ちよく歌って下さっていますが……
ところで、今回のファン先生のご出演には、ひとつ大きな後押しがありました。
それは日本のパンド、
『サウンド・ホライズン』です。
先生には双子の娘さんがおられるのですが、
このお二人が、このバンドの熱烈なファンで、コスプレなんかしてハマリまくっているのだそうです。
伝統音楽に生きる母として、それはどうなんですか?と伺いましたが、
止めようがない、とのことでした。
そのお二人が、サウンドホライズン の日本の頼みなら、絶対にきいてあげてと、お母さんに言ってくれたのです。
まあ、ついでに、日本に行きたい、という心づもりもあったようですが……
とにかく、そんなワケで、我々は
『サウンド・ホライズン』
のお陰で、
この素晴らしい歌声を、作品に加えることが出来たのです。
ありがとう、『サウンド・ホライズン』!
実は、私も他のメンバーも、まったく知らなかったのですが。
今慌てて、
アキバ系電脳団員たちに、詳細を調べさせ、
出来れば、サインなどゲットしておくようにと命じているところです。
皆さんの中で、コネクションなどお持ちの方おられましたら、サインお願い出来ませんかねえ?
そんなワケで、この『お伽の棺』は、古い韓国とか、今の日本・アキバとか、本当にいろんな要素が絡まって、成立している「一期一会」の奇跡の舞台であるということです。
では、今から劇場に行ってきます。