心からお詫びとお礼申し上げます。
今日は心の底から泣きたくなった。
初日から、開演を遅らせたりして、何とか回避してきた隣のイベントの音だったけど、ついに回避不可能なのが一本入り、しかも今日が最終日ということで、予定にもなかったサプライズ公演までが加わってしまった。
よりによって、静かさが何より大事なこの舞台に、容赦なく関係ない音が洩れ聞こえてくる。
その間、生きている心地がしなかった。
飛び出して行って、もう勘弁してくれと叫びたかった。
何でここで、上演しているの?そもそも演劇用の場所ではないでしょう?
と多くの人に質問され、お叱りを受けている。
ここしかなかったというのが、答えである。
韓国の上演日程が、正式に決まったのは、年明けである。 参加は秋頃にはほぼ内定しており、その時点ではいくつか劇場も当たっていたのだけど、
日程が二転三転し、翻弄されたのだ。
やっと日程がクリアになって、慌てていろんな小屋に当たったが、当然のこと、そんなタイミングでは空いている場所はなく、また空いていても、ロウソク火のクリアが難しそうなところしかなかった。
東京での公演は無理かもと、諦めかけていた私たちに救いの手を差し延べて下ったのが、「UMU」さんである。
だから、UMU さんには、感謝するはがりである。
その時は、隣でこんなイベントがあるなんて情報もなかったし。(イベントの細かい内容やスケジュールが分かったのも、金曜日でした)
しかも、開演を押すと決めてからは、コーヒーのサービスまでご提供下さったり、隣のイベントに時間がずらせないかとか、音を小さく出来ないかとか、無理を承知で掛け合って下さったりしている。
この上に、このステキな小屋に注文など何もない。
今回の、問題は、偏に、我々の力不足によるものです。
心から、お詫び申し上げます。
一つ救いは、出演者もスタッフも、めげず、負けず、必死に作品を守り通してくれたこと。
上演中に、
ファン先生に、冒頭での音漏れのお詫びしつつ、最後にもう一度、静かなところで、オープニングの歌を、お聞かせ頂けないかと打診したところ、
先生は快く引き受けて下さった。
そして、何より、今夜お集まりのお客様が、
最後に温かい温かい、拍手を下さった。
本当は、苛立っておられただろうし、お腹立ちの方もおられたと思う。
でも、多くの方が、我々を逆に気遣って下さり、励まして下された。
その優しさに心の底から、感謝致します。
こういうことがあると(自分たちとしてはギリギリの力を尽くして取り組んでいるのに、どうにもならないことがあるものです)、心底、この因果な稼業に嫌気が差してくるのですが、
こんな拍手を頂いてしまっては、
皆さんにいつかきちんとご恩返しをしなくてはイケナイと、それまでやり続けなくてはならぬと、つくづく思います。
我々を悩ませた、イベントは、今日で終わりです。
明日の2回と厚木のラストステージ、今まで以上に、良い舞台にするよう、しっかりやります。
今夜は、R36の作家仲間が集まってくれた。
皆、口々に、音なんか気にならなかったよ、と言ってくれる。むしろ、効果的なとこもあったじゃん、なんて。
そんなはずはないのに……
同じ表現者として、我々の気持ちを誰よりも分かってくれている、このありがたさ。
そして、日本の人たちがどう思って見てるのか、感想もなかなか耳に入らず、不安がっているナムヒとファン先生に、温かいねぎらいと、プロフェッショナルな、美しい言葉の感想を語ってくれる。
何と素晴らしい友人たち。
韓国の人たちに、これが私たちの仲間だと、少し威張ってみた夜であった。
そんな悪いことと、良いことがあった日曜日……