厚木市民力
『リバーソング』のために、
厚木文化会館にせっせと通っております。
『新・水滸伝』が どうなってるか、限りなく気になるものの、
厚木もここからが正念場なので、離れるわけにも参りませぬ。
まあ、右近さんや笑也さんから、わざわざ、評判宜しいですと、相次いで連絡を頂いたので、とりあえず安心して、あとは皆様にお任せ致します、状態になっている。
にしても、右近さんから着信履歴があるたびに、胸がバクバクする。
猿之助師匠からの、また厳しい、そして無茶なダメ出しが出て、急ぎ対策を練らなくちゃならぬのかと、条件反射で不安になるのである。
目下、それもなく、順調の様子、何よりである。
さて厚木では、まだまだ超えるべき山はあまた、ゴールは遥かという感じ。
でも、少しずつカタチが見えてきている部分もあって、不安と同じぐらい楽しみも膨らんで行く。
とにかく毎日やっているのが子ども達のシーンである。
今までアチコチで市民ステージに関わってきた我々ではあるが、今回ほどたくさんの子ども達を出す公演はなかった。
何しろ、ちょっとした小学校の3クラス分ぐらい、いるのである。
小1までいるから、何するにしても稽古の大変なこと。
でも、うじゃうじゃいて、しかもなかなか思い通りに動いてくれなくて、その上に、ピチクパーチク喧しく、
テメーらたいがいにせえや!
と何度も爆発しかけるが、
そんな子たちが、ふとしたはずみで、真剣になって踊ったり歌ったりしだすと、
その可愛いことと言ったら、あなた……
特に、幼い女の子たちが、郁恵さんやキョンキョンの歌で笑顔をふりまきつつ、踊る場面なんか、
どっかのオネーさんたちのショーなんかより、どれほど グッ とハートにきてしまうことか。
ショーなんていう言い方さえ不謹慎ではあるような汚れなき世界なのだけれど……
でも、ホント、突かれた心がしみじみと癒されます。
嘘だと思ったら、公演を見に来るが良い。
ぜったいに、あなたも グッ と来るから。
まあ、あたしの場合、特に今月は前半戦、男しか居ない、歌舞伎組で、しかも神経が明らかにすり減っていくのが分かるような、
過酷な現場にいたから、
稽古場で、こんなステキなものが見られるなんて、何と幸せな仕事であろうか、と思うのでありました。
もっとも、月初めから、ずーっと厚木に滞在して、朝から晩まで、参加者のお世話と指導に明け暮れる、扉座の手勢たちは、
ステキどころか、
この苦行がいつまで続くのですか、お師匠様、
この旅に終わりはあるのですか、ぜーぜー、
という感じでで、私に泣きそうな顔ですがりついて来てはいるが。
ただひと言、言えることは、
やり遂げなさい、そうすれば、旅の意味はやがて分かる、ということであります。
ここから更に辛さは増していくだろうけど、
辛いのは、ちゃんとやってる という証拠なのだから。
ちゃんとやれば、必ず、劇場の神様は、それなりのご褒美をくれるものです。
これは間違いなし!
ただこの神様、極めて気紛れで、えー加減で、たまーに、ちゃとやった人より、すっげーちゃらんぽらんにやった奴の方に、良いご褒美を渡しちゃったり、することもあるんだけどね。
でもそれを妬まない。
それがこの業界で強く生きて行く秘訣である。