いよいよ公演〜

 明日、もう1日だけ舞台稽古があって、ついに土、日の公演を迎える。

 この日のために、今までやって来たのだけど、辿り着いてみると、アッという間である。
 そして、ついに終わるのか、という寂しさも漂い始める。

 まだやってもないのに、終わる、というのも何だけど、
 こういう一回性の高いイベントでは、どうしても、盛り上がりとともに、サヨナラが必ず伴うわけで、

 まあ、それが、この手の舞台の大きな魅力でもあるのだが、
 それでも、
 寂しいわな。

 そこがプロと素人との大きな違いカモね。
 プロは、また今度、て言葉が打ち上げては普通に交わされる。たとえ、今度はないだろうな、と思う関係でも、それで収まる。

 でも、今回みたいな集まりは、そうはいかないからな。
 今度がない。
 今回しかない。

 思えば、星野ジャパンの惨敗も、分かっちゃいたんだろうけど、
 4年に一回、という聖なる一回性を、今イチ捕らえきれなかったのではないか。

 今度の機会では絶対打つよ、では済まない、今ここで打たなきゃ、意味のない、プロとは違う世界の切実だな。

 そんな切実さが、我らが『リバーソング』にも、徐々に満ちてきた、と思う。
 明日から、明後日夕方の本番に向けて、更にヒートアップしてゆくだろう。

 私はそれを、少し寂しさを感じつつ、最後までしっかりと見守って行くつもりです。

 これはバンフにも書いたけど、
 きっちり三十年前、高校三年の夏、私はこの厚木文化会館の大ホールで、処女作『山椒魚だぞ!』を上演させて貰っているのだ。
 全国大会で活躍したご褒美で、高校が出来たばかりの文化会館を借りてくれて、同級生たちに見せる機会を作ってくれたのだ。

 演劇部員だった岡森(岡本クン)と六角(山地クン)も、その舞台に出ていた。

 それは初めてコンクールではなく、審査なんか受けない、純粋な観客に見てもらった公演であった。
 ものすっごーく嬉しかったのを今もはっきりと覚えている。

 その時、まだ誰も使っていないというオペラカーテンを使わせて貰った。本当は幕なんかいらない作品だったけど。
 オペラチックな絞り開きの格好良さに、17歳のワシらはスッゲーと叫んだものだ。 

 それから三十年後の今、
 ここで、会館三十周記念の『リバーソング』を創っているのである。
 六角が、別の芝居で不在なのは残念だけど、
 岡森は、ちゃんと参加して。
 もちろん、あのオペラカーテンも、しっかり使って!

 そんなこんなで、私は
 幸せと責任と、ちょっと不思議な運命を感じるのである。 
 今回はたくさんの子ども達が参加している。
 今回のことが、これからの彼らの人生において、何かの力になってくれたら嬉しいなと思う。
 この先、みんながどんな道を歩んでいくにしても。

 そして出来ることなら、この中から、何人かは、劇場で働く人が育ってくれたら、更に嬉しいと思う。
 
 五十周年をしっかりと、受け持ってくれるような、頼りになる劇場人が。
 
 明日から、厚木です。
 しばし、更新止まります。

 他の団員のブログで、様子を見てみて下さい。

 お陰さまでチケットはすでに2日とも完売だそうです。
 凄いぜ、厚木パワー!
 
 
  
 
 

 


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