血も出ません……

 早いものでもう1年。
 去年は『ドリ魂』の緊急再演があったので、誕生日を外したが、今回は、47回目の誕生日に合わせて、
 人間ドック バリウム飲み、をやって来た。

 細かな結果は出てないけど、またまた尿酸値に黄色信号が出た以外は、とりあえず一安心な感じ。

 しかしたいして贅沢なんかしてないし、ビールとかも飲んでないのに、なんで尿酸値なんか高くなるのかね。
 ともあれ、用心しなさいと忠告を受ける。

 それよりも、ちょっとびっくりしたのは、己の低血圧ぶりである。
 早朝で、空腹で、それで検診だったから、普段より低いとは思うけど、

 検査のための血液採りも、無理じゃないの?と言われる始末。
 上が、80ちょっとで下が、40少し。
 
 興味のある数字ではないので、
 それがどういう意味か分からないけど、隣近所の人は皆、100は軽く超えてたから、
 かなりの赤点だとは察せられた。

 それがなるほど、これはヤバイかも、と思ったのは、
 とりあえずやってみることになった採血の時である。

 検査のために小さな試験管何本か分、採らなきゃいけないのだが、三本目ぐらいで、なんかおしっこみたく、ジヨロジョロという感じで、出が悪くなり、まだあと一本採らなきゃいけないというところで、とうとう止まりはじめてしまったのだ。

 慌てて係りの人が、アラアラとか言いつつ、針の刺さった私の腕の上の方をパンパン叩く。

 えっ、そんなことを……

 と私は息を呑んだが、それでも残り少ないのが、チョロリという感じで滴ってくるだけになった。
 ああ、出なくなりましたね……
 

 だがしかし、それはつまり、血がなくなった!ということではないの……

 針は刺さってるのに、体内から血が出ない。
 普通は死人だろう、それ。

 そんなに血が薄いのかワシ。血が少ないのか。

 確かに、日常的にテンション低いんですよね。
 カーッとなるとこが極めて少ない。

 演出家なんて、
 意味なく怒鳴り散らしてたりするもんです。
 で、瞬間湯沸かしみたいに、速攻で怒り出したりして。

 私も昔はそんな時もあったと思うんですけどね。

 でも最近は、ホント、声を荒げて怒ると言うことが、めっきりと減りました。
 怒ることはあるんだけど、
 それがなんかネチネチとした、お小言にしかならなくてね……

 でも、ともかく血がないんですもの。
 仕方ないわよね。

 ガソリンがないんだから、体内に。

 途中で止まった、血を眺めつつ、つくづく思った、47歳の私であった。

 ただ、低血圧は、成人病にとっては、高血圧よりは、心配は少ないわけで、

 ローテンションで、低空飛行のまま、落ちそうで落ちずダラダラと飛び続ける人生……

 というパッとしない自己キャッチフレーズが頭に浮かんだ私でした。

 ともあれ、とりあえずはさまざま無事記念で、少ない血を沸き立たせに、パチンコでも行ってやろうか、と思いましたが、

 午後からはバリウム下しの下剤が、にわかに働きだして、
 結局トイレの側にいて、1日過ごすことに決めました。

 そんな正しい、低空飛行中年のお誕生日でした。

 

  

 

 
 


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