芝居も長くやってると
美浜から、札幌から、皆様、感想や、応援メッセージ、どうもありがとうね。
芝居ってそもそも、前近代というか、もしろ古代的な表現方法でね。
こっちはもう、芝居を始めた頃から、今に至るまで、やってることはたいして変わりゃしないんだけど。
世の中は、大きく変わっていくよね。
特にネットなんてね、
5年前でも、ずいぶん環境が違っている。
前回、『アゲイン』の旅に出た時、私はすでに日記は書いてたけど
他のメンバーのブログなんて、今のようには、なかったと記憶しているし
さらに遡ると、アゲインの初演が、扉座HPの開設であった。
劇団員で、理系に詳しそうな若手を捕まえて、とりあえずホームページ作れと、命じたのだった。
今考えても、吹き出すほど粗雑なヤツであったものよ。
なんか、2、3枚だけ、宣伝写真貼り付けて、終わりみたいな。
それが今や、携帯からでも見たり、書き込めたりするワケで、
感想なんかも、瞬時に掲載されるんだからね。
それも、
札幌だろうが、青森だろうが、全国から、時間差なしで。
今までは、たとえば、札幌で盛り上がったとか、言っても、何の証拠もなかったなんだな。
イチイチ情報が発信されるワケではないから。
だから
ワケの分かんない劇団が、自費で外国に行って、とりあえず公演して、
勝手に、大絶賛とか言って、日本での宣伝に使うことも出来たんだな。
言ったモノ勝ち ちゅーやつね。
でも今や、ネットの中に、証言者はいくらでもいるわけで、
オレが見る限り、そんなに盛り上がってなかったよ、とか言われちゃうのよね。
ニューヨークだろうが、ロンドンだろうがな。
正直、表現者にとってはシビアな時代ではある。
けれど、その分、やりがいも楽しみも有るんだな。
たとえば、20年近く前、我々がツアーに回り出した頃、
新しい劇団の登場と言うことで、各地でケッコウ、受けていたと思うんだけど、
それは、あくまでも各地でのブームに止まるモノであった。情報が、回ってなかったからな。
扉座史に残るところの、大事件である、
酒田・鶴岡の学校公演『新羅生門』の帰郷時、
数百人近い女子高生たちが、扉座を見送るために、学校をさぼって駅に集まって、社会問題化したこととかもさ、
地元では、大ニュースだったものだけど、
それが情報として、全国に流される手だてがなかった。
でも、もしも、あれが今の出来事なら
目撃証言とか、参加者の本心とか、アレコレさまざま、ドバーッとネットに流されたことであろうよ。
そしてそして
今我々が語っている、数百人という数字が、実は数十人ぐらいであることが、実証もされたであろう。
もしあの頃、今みたいなネットが有れば。
それはまあ、ただの空想だけど、
今はこうして、札幌も、厚木も、青森も同時に繋がっちゃっている時代となり、
しかもそこに参加する人々は飛躍的に増えていて
その中で、我々は、旅公演を続けるのである。
この上は、札幌で起きたこと、厚木で起きたこと
札幌の人が思ってくれたこと、東京で見た人が感じたこと。
そういうことが
このHPのどこでもいい。岡森ブログでも、ガン平のブログでも、
あるいは、私たちを応援してくれている、サイトのどこかでも。
七月の終わりに、女子高生伝説の聖地、酒田において最終公演を終えるまで、
グワーッと言葉が、気持ちが、情報が乱れ飛び、
『百鬼丸』が、より広いところで、多くの人たちの語り草になってくれたら、
これ以上の喜びはないと思うのである。
別に辛口批判でも、悪口でも構わないんだ。
いろんな意見のなかに、きっと物事の本質はあぶりだされていくはずだから。
そして、ひときわ思い出深い夏になったらいいな。
皆さん、どうぞよろしく。
『百鬼丸』コネクション、とりあえず北の国から発信して、築いて下され。