森田成一 氏
今回の 乱童 は、ドリル魂 の小牧祥子君に一回きっちり芝居させようじゃないかという企画と、
人気声優の森田成一さんが、芝居やりたがっているんだが、何かやれないかというお誘いと、
んじゃぜひそこに、古くからの友人の 同じく人気声優の 三木眞一郎 氏にも加わって頂き、ガチンコしてもらって、豪華にしちゃおうという私の思いと、
などが、一挙にこんがらがって、ふくらんでいったものである。
でも、実は森田クンのことはよく知らなかった。
ブリーチ って洗剤ですか。
程度の認識で、本当にすみません。
しかし、これがなかなかの人なのでした。
何と言っても、素晴らしいのが、とってもワイルドというか、ステキにガラの悪いこと。
ご本人は至って、礼儀正しく、真面目な好青年なんですが、芝居の端端に見え隠れする、人間の本質みたいなのが、
これはもう心からの誉め言葉なのですが、
イマドキ、珍しい、ちんぴらのアンちゃんみたいなんですね。
重ねて申しますが、誉め言葉です。
役者は、浮世離れのノーブルか、ろくでなしの不良か、そのどっちかが一番面白いと私はかねがね思っています。
特に、声優さんとしては、かなり得難い、キャラクターだと思います。
ただ聞けば、元々は、舞台とかやってきた俳優さんらしくて、声優歴の方がまだ短いぐらいなのだそうで。
劇中殺陣とかあるんですけど、
これも、やたらにキレが良いんです。
本当に、声優さんですか、と疑いたくなるほど。
アクション俳優じゃん、みたいな。
しかも、一撃が重い。芝居なんだから、見栄えさえよけりゃ、重いパンチやキックなんかまったく必要ないんですが。
無駄に重い っぽい。
何か怒ってるのか、心配になる感じでした。
でも聞くと、
正道会館で、空手やってたって。
Kー1の本部ですぜ。
型ではなく、マジ当ての、方面です。
まあ、
声優が空手やっててもいいんだけど、
恋愛シュミレーションゲームの、色男役で人気があるとかいう話だったから、そのギャップに、最初はかなり驚きました。
幸い、春頃に一回、お会いして、お食事とかした時に、何となくその気配は感じたので、
今回のタイトルロールの 乱童 はかなり、彼のニンに 合う役になっていると思います。
男として筋は通ってるけど、ちょっと行儀が悪く、衝突ばかり生むが、どこか憎めないアンちゃんみたいな。
今だから言いますが、
実は、雅な王朝絵巻みたいなのをやろうかという話になりかけたこともあるのです。
貴族の鬼退治に、許されぬ恋が絡むみたいな。
しかし、
私の中では、彼に会った時に、その線はほほ消えました。
もちろん、俳優ですから、それはそれで、見事に演じてくれたかもしれないけど
第一回目は、なるべく正攻法の当て書きをしたいですからね。
せっかく同時代を生きる作家と俳優が出会ってるんで。
んで
この当て書き
ケッコウ、上手く言ってるんじゃないかと思います。
昨日、早くも、ざーっと通してみました。
まだまだ、ここから課題は山積みではあるけど
ファンの皆さんのみならず、多くのお客様を、驚かせる舞台になるんじゃないか、と私自身が幕開きを期待し始めています。
チケットがほとんどないのが、とってもザンネン。