広井王子 さんの特別授業

 厚木では仕込みが進行する時、錦糸町では研究所の特別授業があった。

 サクラ大戦の 広井王子さん、ゲームやアニメのクリエイターとして名をはせているが、
 子供の頃から芝居を観て育ったという、劇場人である。

 で、今日も、うちの研究生たちを相手に、芝居を語ってくれた。
 何しろ、墨田区の向島で生まれ育って、叔母さんがSKDの一期生だったという人で、
 浅草の国際劇場の楽屋によく遊びに行っていたんだという。

 サクラ大戦 の帝國歌劇団は だから広井さんの幼い頃の思い出の、いわば原風景なのである。

 その時代の芝居通を知っているから、
 今の芝居を観ない人たちの、芝居の知らなさ具合が、我慢ならないんだという。

 まあ、実際は、観ないというか、観たことないとか、観る機会が、ないんだよな。
 それは、親が連れってて、教えなきゃイカンと仰る。
 昔は、そうやって芝居や、芸能が守られていたんだ、と。

 そもそも
 芝居は、観る訓練が必要だし、面白さが分かるには、時間と元手がかかるんだと。
 確かに、その通りと思う。

 だから、今のお客さんを、神様と呼んじゃいけない。
 お客の勉強が足らなすぎるよね。
 

 劇場で育った人の、厳しく正直な言葉である。
 

 なかなか、こうは言えないけどね。
 
 だけど
 お客が、芸をダメににするってことは確かにあるんだよな。
 広井さんも言ってたけど、安い役者の安直なアドリブを喜んだり、
 千秋楽の遊びを何よりも楽しみにしてみたり。

 それじゃ、何でも良いってことで、
 きちんと稽古したものとか、磨いた芸なんかいらないことになるもんね。
 
 しかしそんな流れに迎合したら、芝居は滅びる。

 君たちはそんな役者にならないでおくれ。


 広井さんはエンタテイメント系の人なので、ここんとこ誤解されやすいけど
 演劇は、きっちり演劇でなくてはならぬと言い切るのである。

 この姿勢がとても素晴らしいと思うので、毎年、お話をしに来て頂いている。

 結局、アニメやゲームの話はなし。
 今日の広井さんは、演劇道の先生であった。 

 さて、
 明日は私も厚木入り、
 舞台稽古に突入します。


 芝居を観たことない若者たちに
 ぜひ、厚木公演の若者応援シートを利用して頂きたい。

 厚木在住でなくても、専門学校生でも可のシステムだ。
 映画料金で、観て貰いたいという願いで
 市民応援団と文化会館が支援してくれて

 ひとり1500円である。
 これなら親が連れて来なくても、友達同士で来れるだろう。

 知らない人にも教えてあげて下さい。




  
 


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