舞台の上で

 千秋楽、東京では久しぶりに舞台挨拶に立ちました。

 その相談をスタッフと開演前にしている時、近藤さんが、俺にも何か言わせえ、と加わってきました。

 言いたいこと有るから、三十分ほどくれ、と。

 そんなん、アカンです、と妙な関西弁になりつつ、ほんならちょっとだけよ、と許可致しました。

 近藤さん、こういう挨拶で、時として、止めどなく暴走し、誰か止めてくれ、みたいなことになることがあるのです。

 まあ、それはそれで愉快なことでもあるんですけど、今回の芝居は、結構、深く静かに終わっているので、
 そのムード、台無しにせんどくれや、オイサン、と、
 心の中で、祈っておりました。
 
 で、
 近藤さんが、カーテンコールで、舞台から皆様に話しかけられたワケですが。

 近藤さん、疑って、ごめんなさい。

 ああ、もう、ビデオとか、回しておけば良かった、と深く後悔する、心にしみる、お言葉でした。

 私も舞台の上にいて、舞台の上で、それを聞いていたのですが、
 舞台にいることを忘れて、ジーンとしてきました。
 ちょっと泣きました。

 俳優としてというより、近藤正臣という人間として、この舞台が出来たことが嬉しい、

 とそれが最後の締めのお言葉だったと記憶しています。
 川のこととか、扉座との絆とか、
 語って下さった、その後で。

 やって良かったな、と。
 何よりの、ご褒美を貰った気分です。

 サツキマスの物語 は終わり、
 
 それぞれに今日からまた、新しい活動に向かっています。

 昨夜は早めに打ち上げを終えて、久しぶりに熟睡しました。気持ちよい朝でした。

  
 ご来場下さった皆様の、多大なご声援にも、感謝致します。
 
 どうもありがとう。
 
 


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