生と死の隣り合うところ

 今日は、猿之助さんのお誕生日。
 紫さんの喪中なので、いつもよりもぐっと控えめに。
 それでも、古稀の日を、関係者一同で静かに心を込めて祝福しました。

 ダイエットの効果あって、少しほっそりされた、猿之助さん、赤いシルクのシャツがお似合いでした。

 今年は、紫さんが逝き、あとを追うように、金田龍之介さんが逝かれ、そして、加藤和彦さん。
 今まで、このお誕生日を、彩っていた方々が、お留守になって、いろいろと物思う、夜でした。

 しかし、おもだか一門、残った弟子たちが結束し、猿之助さん指導の下、新たな作品を創ろうと、しています。
 お誕生日でも、気が付けばあちこちで芝居の話しに花が咲いていました。

 きっと紫さんも、金龍さんも、加藤さんも、ここにいて、一緒に話しに加わっていた、という気がします。

 そして明日は、加藤和彦さんを偲ぶパーティがあります。
 葬式、弔いの類はしないで下さいと遺言にあったそうで、
それでも、親しかった人たちが、それじゃ皆で集まって、加藤さんが大好きだった、世界のご馳走を取り寄せて、ワインを飲む、賑やかな会をやろうと、企画したそうです。

 案内状には
 どうぞ着飾って来て下さい、とあります。

 加藤さんのパーティらしく、みんなで、思い切り気取って、贅沢な宴にしようと。
 
 普通では有り得ない、アーティストたちが共有する、悲しみの作法かもしれません。

 それはまさに
 傾奇者 たちの宴となるのでしょう。
 加藤さんも、それなら許すという気がします。

 死して尚、加藤さんの世界も、皆の心の中に生き続けています。

 ただそんなパーティに、加藤さんなら、どんなステキな出で立ちで現れるのか。
 それを見届けられないのが、無念です。

 そんな2日続きの宴会です。
 
 肝胆相照らす友だった、お二人のお誕生日と、送る会と。
 
 魂が交錯する、年の瀬です。

 
 
 

 
 


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