劇場へ

 陽がさしてきて、雪が溶けてゆく。
 角館にようやく、太陽が近づいてきた。
 
 そんななか、初日まで十日を残して、劇場へ。

 敷地内にすべてがある、環境だから出来ること。
 こんなに時間のある、舞台稽古は初めてかも。

 東京からのスタッフもゾクゾクと集結してきて、
 カウントダウンが始まったなあという、実感。

 かなり壮大にして華美な舞台装置である。デザインは東京の金井勇一郎氏だが、製作は、座内の工房。
 極めて少数なのに、毎日コツコツと作り続けて、夜は焼酎を飲み続けて、こんなものを作りあげてしまう。

 ここに来ると、物作りの原点 を思い出すよね、と金井氏が、しみじみという。

 最近、カーテンコールだけ依頼されることがあるという、自称・カーテンコール職人 のラッキイ池田氏とエリ先生らも昨日から、来てくれて

 職人技の

 カーテンコールを作りあげてくれた。

 そして徐々に 私の仕事がなくなってゆく。
 あとは、ひたすら、スタッフとキャストの 働きを見守るのみ。

 ここではまだ、当分、桜は咲かないけど、
 一花咲かせて、帰らねばならぬ。


 


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