加藤和彦氏 と
うたかたのオペラ の初日。
新キャスト、新スタッフが、良い仕事をしてくれて素晴らしい舞台になった、と思う。
ちと予算が足らず、レビューにしては、画替わりが物足りないけど、
それを補う、出演者の魅力と、がんばりがあった。
今日は、一番後ろの空いてるとこに座って見ていたんだけど、
劇中、ふと横を見ると、
加藤和彦さんが、座っているような気がした。
そもそも、稽古中から、稽古場のドアが唐突に開いて、ふらりと加藤さんが現れそうな気がしてならなかった。
加藤さんが心血を注いで創った、音楽が未だ、ここでは鳴り響いている。
だから、魂がここにいるのは、当然だけど
芸術家が、この世から消えて、作品が残るということの意味を、味合っている。
まあ、あんまり嬉しい、ことじゃないけど。
それでも、作品というものは、人そのものだなあ、と今夜は、しみじみと噛みしめた。
紛れもなく、命を持つ。
今夜は
おそらく大阪の時から、これを見ていてくれて、
待ち望んでくれていた、お客さんが大勢いたと思う。
その盛りあがりで、気持ちの良い拍手をたくさん頂いた。
加藤さんにまで届け、と願った。
その時、ちょっと涙が出た。
終演後、そのまま解散したくない気分になった。
一人になったら、何か、壊れてしまいそうで。
演出家や出演者らを誘って、居酒屋に。
明日からまた、神崎与五郎 の日々が再開。
今回は、これで うたかたの見納めになってしまう。
でも、
今日貰ったエネルギーで、当分、やっていけそうだ。
あと
劇場で、声を掛けて下さった、皆さん。
来てくれてありがとう。
私のお客さんなんか、いないと思っているところに、思いがけず皆さんから励ましを頂き、
これもまた、明日への力となるものでありました。
うちかたのオペラ
日曜日までです。