ふらっと おやじ が

 座・高円寺 公演で気づくのは、熟年というか、リタイア組というか、ともかく年配の、しかも男性客が、

 寄席にでも来たみたいな、感じで、ひとりでフラリとチケット買って、入場して行くこと。

 普段のうちの客席にはあんまりいない、タイプである。

 杉並区民の方なのか、歌舞伎ファンの方なのか、
 神崎与五郎 というタイトルのためか。

 ちなみに杉並区民には、区民割引みたいなチケットも用意されているのである。

 で
 そんな大人の男たちが、どう受け止めてくれているのか、それが大いに気にかかる。

 そういう芝居だし。
 オッサンの、友情が話の中心だしな。

 そして出来れば、うちの常連になって欲しい、ゾーンである。
 この作品に限らずに。

 なんちゅーか、浮ついてないし、
 芝居見ても

 取り立てて、喜ぶでもなく、かといって、しらけるでもなく、
 たまーに、人と違うとこでニヤリとして、

 終わるとパチパチと適量の拍手を残し、
 すーっと、帰って行く。

 寄席のフアンなんかに、いるタイプ。
 それも、あんまり人が行かないような時に、自分だけの楽しみとして、あんまり混んでたらイヤだな、みたいな雰囲気で、隅っこに佇んでいるような。

 ま、こっちとしては、混んでくれなきゃ困るのではあるが。

 それでもな
 こういう小ぶりの小屋で、
 高円寺みたいな、土地柄で

 特に、目新しいことでもないんだけど、分かる人には分かる贅沢さで、やってる芝居に

 オッサンがフラリとやって来て、当日券買って、ひととき楽しんでいってくれる。
 なんてのは

 なかなかに乙なことじゃないかねと、思うのである。

 何となく、成り立ちとか、運営とかが、
 前衛とか、芸術とか、そういうムードを主張している、立派な劇場ではあるけれど

 意外に、そういう層が、楽しみにしてくれる気配はあるんじゃないかと、
 毎日、ロビーに立っていて、感じている。

 そういえば、ココ、前売りと当日が同じ値段なのである。
 それは私たちが決めたのではなく、劇場のルールで。

 
 おうちで、邪魔なオトーさん、おじいさんに、
 高円寺、行ってみれば、と勧めてあげて下さい。

 オッサンも楽しめる、小劇場です。



  
 
 
 


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